道野先生のヒアリングは続きます。

「で、ご主人のご両親は本件に関しては何とおっしゃっていますか?」


私「あの… 一度も話してないです。連絡もありませんので分かりません…」


道野先生「え? 一度も? あなたと話もしていないんですか?」


私「はい、一度もです。連絡もしてきませんから…」


道野先生「まぁ、県外だから… と言っても少し奇妙ね。これだけの大事になっているのに知らん顔だなんて… 
何も言ってこないということは、恐らくご主人が都合良く、話を塗り替えているんでしょう」


私「はい… そうだと思います」


道野先生「・・・にしてもねぇ、、
私も息子がいますけど、これだけの事態になってるのなら、大人として両者の言い分を聞きますけどね。あなたのご両親もされたように。

いくら息子がかわいいからって言っても、お嫁さんの話を一つも聞かずに納得なんて普通はしないわよ。

古い言い方になりますが、仮にも男親としてお嫁さんをもらったわけですから。


・・・この親にしてこの子あり… 変な親子ですね」


私「やっぱりそうですよね、、 
私との関係も、年に数回会う程度で、希薄だったのかもしれないですが…」


道野先生「ご主人とご両親の関係は良いってことかしら?」


私「はい、仲はいいんだと思います。特に母親とは。
月に1回は必ず電話をしているんですが、40~50分くらいも(!)。 夫は話をするんじゃなくて、ひたすら聞き役になっています。
関西弁でよくしゃべる母親の話をずっと聞いてる感じですね。今日どーした、あーしたとか、飼ってる犬がどうだったとか… 
たいした内容でもない感じですが…w
いつもずっとニコニコ聞きながら「うん、うん、そうなんだー、ママ」って 」



道野先生「え? ママ??」



私「あ、はい。すごく仲いいんだな~って。
うちの弟なんて年に1~2回、しかも5分も母に電話なんてしないから、仲いい関係性なんだな~って…」




「・・・まだ若いんでしたっけ?」と言って道野先生は個人情報が書かれた調査票に目を落としました。


「と言っても、29歳ね、、」



「マザコンですね」




だんだん、道野先生の毒舌も心地よいものとなりました。