「で、相談って、何かあった?」
赤ワインを嗜みながら佐和ちゃんが何気なく聞きました。
「あ… うん… 実はね… 」
私は事件からの詳細を細かく、ゆっくりと佐和ちゃんに伝えました。
・・・・・
ただ事ではない話の内容に、佐和ちゃんのグラスを持つ手が止まり、どんどん顔が雲っていきます。
店員さんが1つ1つ焼きたての焼き鳥を運んできてくれるタイミングに気を遣いつつ、私は事の詳細を伝え続けました。
・・・・・
佐和ちゃん「ちょっと待って!!!
はぁ???!! ありえないんだけど!!!!
頭おかしすぎでしょ?! 家の売却を突然??!! そして人格豹変??!!
そしてそんなアホな理由の離婚、聞いたことない!!!」
私「うん… 本当に… 私も参っててさ、もう、どうしたらいいか…」
「あ、結婚してない私に言われたくないかもしれないけど…w」と佐和ちゃんは断りを入れてから話始めました。
「まず、"この実がネガティブで疲れた顔で家事をするのを見るのが嫌だった"??!!
はぁーーーー?????!!!!」
怒りながら一息ついた佐和ちゃんが続けました。
「・・・・まず、、、
フルタイムで働いている人が夜疲れるのは当たり前。疲れた顔を見たくないのであれば、妻を疲れさせないように仕事をさせるな。
そしてテメーが倍稼いでこいって話し。
それができないんだったら、食洗機とルンバを買ってやれ。
そしてそれもできないんであれば、手と足を動かせ。
代わりにスーパー行くとか、お皿洗うとか1つでも手伝え。
で、旦那さん家事はやっていたの??」
私「ううん、ほぼ私。
結婚当時、夫はシフト制で遅番が多かったから、必然的に夕方に私が全てやってた…
洗濯、掃除、買い出し、料理、片付け…etc.
私も何も言わなかったのも良くなかったよね… 年上だし、頑張らなきゃとか思っちゃってたかも…
やってって言っても嫌な顔するし、やってくれてなかったり、私がキレイ好きすぎるって逆に非難されるから… 私もめんどくさくなって何も言わずに1人でやるようになってた。
あと… 夫の母親は専業主婦だから、家事は女性がやるもんだって思考もあったんだと思う。
……確かに家を建ててから必然的に広くなったから、掃除が大変だとネガティブ? 愚痴ったりは、した、けど…」
佐和ちゃん「いやいやいやいや!! そいつ、言ってることちゃんちゃらおかしいよ!!!
100人いたら180人がおかしいって言うからw!!!
そもそもさ、夫婦ってのは他人なんだから、お互い違いを認めて、マイナスをプラスに変えるべきなんじゃないの?
疑問や違いがあれば、建設的に話し合って進めればいい。
そもそも妻を笑顔にできないなんて、単なるテメーの力量不足。
自分が情けない男ですって言ってるようなもんだよ?
妻には自動的に24時間ニコニコしてろってか?!
どうしてこのぴーにだけ理想を求めて自分は一つも努力しないわけ?!
・・・・・ま、結婚してない私に言われても説得力ないか…www
にしても、おかしすぎる!!!
あと100時間は軽く正論で戦えるわ」
「このぴー!! もう一軒、飲み直すよ、今日は!!!」
佐和ちゃんに連れ出され、夜風に当たりながら夜のオフィス街に出ました。