2023年7月18日 (火) 晴れ


三連休明け、所要で午後有休を取っていたので、ついでに自宅に潜入することにしました。

(夫が仕事中で絶対にいないであろう昼間の時間帯に)


お昼は会社の同僚と市内中心部でランチし、爆笑し帰ってきました。

(会社のみんなは私がこんな状態って知ったら、どんなに驚くかなぁ…)


でも、逆に何も知らない人たちと、何気ない話をしたり、共通の話をして爆笑できるのは、本当に今の自分にとってストレス発散の1つです。





この日は梅雨の合間の晴れ間で、少し外にいるだけでぐったりするような暑さでした。





「自宅に潜入」というと、何か悪いことをしている感じに聞こえますが、ここはれっきとした私の自宅です。


こっそりと予告なしに入るのは何だか罪悪感を感じますが、何か週末の証拠でもあるかな、と探偵にでもなった気分で、緊張感を持っての入室です。





「5分以内に任務を済ませること」



そう自分とミッションを決めて、ガラーンとして暑苦しいリビングを見渡しました。



そういえば自分は「探偵」になりたかった夢があったことを思い出しました。




「リビングは特に異常なし!」



クローゼットに片付けてないスーツケースが置いたままになっていました。

夫が昔使っていた就活時代の鞄が床に置いてありました。



私は部屋のゴミ箱を探りました。


・・・・アウトレットのレシートのゴミ

ん?  これは、関西…  夫の実家の近くのアウトレットだ。


アウトレットでの買い物のレシートを3~4枚見つけました。服やスニーカーを買ったようです。

地元への電車のチケットの明細も見つけました。


(そういえばさっき玄関に見慣れないスニーカーがあったな…)


(てか、何がお金ないよ!! こうやって自分が欲しいものは後先考えずにいつも買ってるじゃん!!!)



テレビ台の下に書類入れがあるので、中を探ってみました。


レターパックの郵便を見つけました。

「◯◯株式会社 ・・・」

「採用応募書類の送付」と書かれた送付状が入っていました。

送付日付は今から2週間前ほど。






や っ ぱ り・・・・!!!



南本先生の言うとおり、本当に旅行じゃなかった!

地元の会社の面接を受けに行っていたんだ。


しかも、最近のLINEでの催促の焦り具合から言うと、お盆連休までには家を売却をし、引っ越しを済ませ、実家に帰って9月頃から再就職しようとしてる…


誰も、何も納得していないのに… 


  


魂胆がみえみえです。




とりあえず長居はできないと思ったので、2階やその他の部屋の異常をないことを確認し、そそくさと家を出てきました。





車に乗ろうとすると、隣のお家の三谷さんの奥様とたまたま玄関先でお会いしました。


「あら?!  この実さんね!  お久しぶりですー」


約2ヶ月ぶりに顔を合わせ、また事情が事情なだけに何となく気まずさもあったのですが、私は覚悟を決めて三谷さんにも伝えようと思いました。


この頃には、事実をみんなに知ってほしい、1人でも自分の味方となってくれる人を増やしたい、そして私は何も悪くないんだから堂々とするべきだ!

そう思うようになっていたからです。



私「三谷さん、今、少しよろしいですか?」


三谷さん「えぇ、どうされましたか?」



三谷さんは70代後半、ご主人といつも仲が良く、とても優しく愛情深く上品な奥様で、お会いする度丁寧に挨拶をしてくださり、私たちが引っ越してきた時もとても喜んでくださいました。


夫もそんな三谷さん夫婦が好きで、「こっちゃんといつまでもずーっと仲良く、三谷さん夫妻みたいになろうね!!」といつも言っていました。




私は5月23日からの事件の流れをかいつまんで話し、今この自宅が売却されそうになっていること、夫とまともに話すことができず今、自分は半強制的に自宅を追い出されて実家に戻っていることをお話しました。



三谷さんは絶句し、言いました。


「ま、まさかそんなことが…  気がつかなくてごめんなさいね…  暫くこの実さんの車がなくて心配していたんだけど、体調でも悪くて実家に帰られてるのかしらと勝手に思ってたのだけど…  まさかそんなことになっているなんて… 

ご主人はいつも通り、お会いすれば愛想良く会釈してくださるので、、、まさかそんなこととは… 」



私「はい… 驚かせてしまって申し訳ありません…  もう… ここに来ることもほぼないと思います…  去年引っ越してきたばかりで… 何だか情けないんですが…  

短い間でしたが大変お世話になりありがとうございました…」



私の話を聞いて、顔をしかめ悲しそうにされている三谷さんを見て、引っ越してきた日を思い出しました。

あの日、「困ったことや分からないことがあったらいつでも聞いてね」と優しく笑顔で言ってくださった三谷さんご夫婦を思い出し、胸が張り裂けそうになりました。



三谷さん「この実さん… ご飯は食べてますか?  お父さんもお母さんもさぞかし心配でしょうに…  少し、痩せられましたよね?

どうか無理しないで。体を大事にするのよ」



三谷さんの嘘偽りのない愛情ある言葉をもらい少し元気が出てきました。


そしてまた1人、事実を知ってもらえる人ができたことに心強く感じました。