2023年5月23日(火) 雨のち曇り


その日、私は仕事帰りにYOGA教室へ行ったので21時前に帰宅しました。


夫は朝から体調が悪いと寝込んでいましたが、私が「今から帰るね」とLINEを入れていたので、寝室から降りてきていました。



私「ただいま! 体調は大丈夫?」

夫「… うん、、、」

私「ん? どうした?? まだ気分悪い?   手、洗ってくるね」


この時点でいつもと違うことを感じとりました。

普段、私が帰ってきたら夫はお帰りー!と玄関まで迎えに来てくれて、洗面所まで私の後を追っかけてきて、あれやこれや話をしたりスキンシップをしたりしていたからです。


ん… 来ないな?



私「???   どうしたのともちゃん」


 何か言いたげに不安そうに立ち尽くす夫。


一旦、ソファに座って話を聞こうと思いました。






夫「…  話があるんだけど…」






夫のその一言でものすごく嫌な予感がしました。


パートナーや大切な人から言われる

「話がある」

は、決してポジティブな内容でないに決まっているから。




私「な、なに、、?」



ポツリポツリと夫が話し始めます。

「今、自分はものすごくストレスを感じている。そのせいで今日は会社を休んだ。

3ヶ月前に転職したばかりだが、仕事が合わない。ストレス。課長も明らかに意地悪な感じで部内の雰囲気も悪い。

自分の査定も下げてくるし、今後のやりがいも、何のためにやってるかも分からない…」


私「え… ひどい! その課長、何なの?!

ともちゃん、もっと早く相談してくれれば、、 パワハラじゃん!」


夫「… 家に帰ってまでそいつのこと考えること自体が嫌だったから、、」


私「そっか…」


夫「………  次に、


プライベートな事が原因」



私は一瞬で嫌な予感がしました。



夫「実は… 週末の旅行は…  日曜日は、タナカさんと2人で遊んだ」


私「え……???」


タナカさんは夫の前の職場の後輩の女性です。

直属の後輩だったので仲がいいことは知っていましたし、何度も会話に出てきたこともあります。

ちょうど去年の夏、職場のみんなで登山に行くことになったそうですが他の人たちが急なキャンセルで2人だけになってしまったと。

でもせっかくだから2人で行ってくるねと言われて、私はモヤモヤした気分になっていた、彼女のことです。

夫のことは何より信じていましたが、「結婚してるんだからそういう軽々しい行動はやめてほしい、自覚を持ってほしい」と言ったことを思い出しました。




夫「楽しくて…  土日、本当に楽しくて。

今、心にぽっかり穴が空いている」



私「心にぽっかり穴… 

それは…  そういうことなの? ……そういう関係なことをしたってこと?」


夫「違う! それは違う! そういう事はしていない! ただ、去年もタナカさんと俺、2人で出掛けたじゃん。その時、こっちゃんにそういうの(2人きりで出かける)嫌だって言われたから。言い出せなかった。でも罪悪感を感じて…」



私「……うん… でも何もしてないんだったら… 

嫌だし… 傷つくけど… 

土日は前の職場の数人で遊びに行くって言ってたよね? 最初から土日はタナカさんと2人だったってこと?!」


夫「違う!  元々旅行はカミダくんとの3人で! 土曜日の夜はカミダくん、タナカさんで飲みに行って。日曜日は、、カミダくんが急に来れなくなったって言うから2人で観光してきたんだ…」




突然の告白に頭と心がついていけない。


ともちゃんが? あのともちゃんが?? 

嘘でしょ、、、

不倫、浮気とは一番縁遠いとこにいる、あの真面目で誠実な夫が……… 

毎日優しくて、一生懸命に私を愛してくれてたこの人が??


今、何が起こっているのか分からない。

理解ができない。




夫「とにかく、心にぽっかり穴が空いて埋まらないんだ」


私「ぽっかり穴って…… 

その子のことが好きになったってことだよね? 

心が動いたの??  女性として魅力を感じたから?? な、なによ、これからどうしたいの??」



夫「、、、、、わからない、、、」


「俺は、朝起きて、仕事に行って、帰って来て寝る、次の日も、朝起きて、仕事に行って、帰って来て寝る…… その繰り返し。楽しいことなんて何もない」

「結婚を早くしすぎた。この実の両親のプレッシャーもあった」

「俺は家のローンがあって、家具家電、奨学金、カードの支払い…  一体毎日何のために生きているか分からない」



既に時計は23時近くになっていました。

夫は目が虚ろ、突然言っていることが意味不明。急な告白があったかと思うと、前日までと人間が入れ替わったかのような状態になり、目を合わせない。ボソボソと、何かモヤがかかっているかのようにポツリポツリと話すので話が進まない。


前日の月曜日にいつも通り行ってきますのチューをして愛してるよー!と言って家を出たこの人に一体何が起きているのだろうか。



私は酷いショックと喪失感に襲われ、何も口にすることができず、とりあえず明日も仕事があるのでお風呂に入ることにしました。


「先に寝てるから」と夫が弱々しい声で寝室に上がっていきました。




「心にぽっかり穴が空いた」




この言葉が強すぎて、ショックで、裏切られた気分で、

今まで幸せを感じていた分の衝撃で眠ることはできません。


突然、後ろから誰かに崖の上から突き落とされた感じ。


頭の中がガンガンしてきて、目を瞑っても眠れない。

隣の夫は暫くして寝息が聞こえてきましたが、私は恐怖と不安が襲ってきて目が冴える一方。




「離婚」




この文字が頭の中でどんどん大きくなっていき、うまく息ができない。

「明日、社内会議があったな、、」そんなこの際どうでもいいことを思い出して、眠らなきゃと焦ってまた目だけを綴じてみる。



一体、何が起きたんだろう、、、

神様、、、