「リッチランド」を観てきました。
マンハッタン計画で作られた核兵器生産拠点ハンフォード・サイトとその拠点となる街リッチランドのドキュメンタリー。
キノコ雲が校章になっている高校、フットボールのチーム名が「ボマーズ」。
町の誇り、そして原爆使用の正当性の世論。
そんなイメージの裏側に見える作業従事者の被ばく、がん、頻発した乳幼児の死亡、
土地を取り上げられて戻ることのできない先住民、今も残る環境への影響。
資料館に訪ねてきた広島の生徒たちへの学芸員の想い。
「なぜ原爆が悪ではないのかーアメリカの核意識ー」を先に読んだだけに、
彼我の意識の違いは意識しているつもりだったが、それに疑問を感じる人たち、
米国での被爆者の存在にも踏み込んでいる。
いわば軍産複合体の企業城下町といってもいいだろうこの町でも決して1つの
色に染まっているわけではない、口を開く人がいる、それだけでも希望を感じさせる。
アイリーン・ルスティック監督。