ペンギン・レッスンを観てきました。

 

1976年のアルゼンチン。寄宿制学校の英語教師として赴任した英国人のトム

(スティーブ・クーガン)。

できのあまりよくないクラスでの反応の薄い授業。

旅先で出会った女性といるときに見かけた重油まみれのペンギン。

重油を洗い流して助けたのはいいが、あっさり女性に振られて、

海に返そうとするもついてくるので連れて帰ることに。

そこから始まるペンギンとトムとの同居生活、そして授業にもやってくるペンギン。

愛らしい1羽のペンギンと、軍事政権下での拉致・行方不明、悪性インフレ。

掃除婦の孫が路上で拉致され助けを求められながらも、なすすべもなかったトム。

それにしても、皆が皆、ペンギンに話し続けるあれやこれや。

疑心暗鬼になる必要もなく物言わぬペンギンに心を癒される人たち。もちろんトムも。

軽くないテーマだけど、コミカルで客席内に笑い声も。

実際の出来事からの作品というのにもびっくり。

 

ピーター・カッタネオ監督。

 

 

手に魂を込め、歩いてみればを観てきました。

 

イランからフランスに亡命したため祖国に戻ることのできないファルシ監督と、

ガザ北部に暮らすフォトジャーナリストのファトマとのビデオ通話をメインとした

ドキュメンタリー。

ガザに入れなかったファルシ監督が知人のつてで知り合ったファトマとの交流。

空爆による破壊や飢餓の中で生きる姿を伝えるファトマ。

厳しい状況で心配するファルシ。

明るい笑顔に不屈の姿勢、現状を伝える強い意志。

そんな中でも生まれ育ったガザで生き抜きたいという思い。

不安定なインターネット接続に飛び込む爆発音やヘリの音。

カンヌ入賞決定の翌日のファトマの死。

イスラエルによるジャーナリストへの攻撃。

ニュースでは見落としがちな「数」で測れない生身の人の存在、尊厳を

意識せずにはいられない。

「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」を観た後だけに、より突き刺さる。

サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行を観てきました。

 

父と一緒に押し入った宝石泥棒のパウロは、逃走用の車をレッカーされて逃げ場を失う。

ちょうどサマーキャンプに出掛ける障がい者グループの一員と勘違いされて、「介護者」の

父ともども加わることに。

さまざまな個性の持ち主のメンバーたちとのにぎやかな日々。

父子ともども心が解き放たれていく。

その多くが実際の障がい者であることからも、それぞれの個性がリアルに感じられる。

 

アルテュス監督。

星と月は天の穴を観てきました。

 

吉行淳之介による小説の映画化作品。

1969年、1年ほどの結婚で妻に逃げられた小説家の矢添(綾野剛)は、

娼婦の千枝子(田中麗奈)と体を重ね、恋愛小説の主人公に自分を重ねる日々。

ところが、画廊で出会った女子大生の紀子(咲耶)との出会いが矢添を変え始める。

妻に逃げられた過去、コンプレックス、恋愛への恐れと性愛。

モノクロの画面に時々添えられる「紅」の色。

原作は未読だけど、吉行淳之介の世界と言われればそんな気がする。

 

荒井晴彦監督。

 

もしも脳梗塞になったならを観てきました。

 

太田隆文監督が自身の経験を映画にした作品。

独り暮らしの大滝隆太郎(窪塚俊介)が、風邪っぽい症状で病院へ。
軽快せず呼吸困難になって喘息の診断。しかしある日視力の低下がきっかけで

検査したところ脳梗塞が発覚。

そこから進む病状、SNSでの周囲からの反応に傷ついたり励まされたり、

そして絶望感も。
そんな中でも見守ってくれる人たち、そしてサポートしてくれるシステムの存在。

私のように60歳近くになると、やはりこの病気の症状や社会とのかかわり方に

ついて気にならずにはいられない。