前回に引き続き、安全保障問題の記事を。


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日本の安保政策「理解できない」 アーミテージ氏が批判

(日経ネット 07日 23:01)(リンクはこちら


自民党の谷垣禎一総裁は7日、来日しているアーミテージ元米国務副長官と都内のホテルで会談した。


アーミテージ氏は沖縄県の米軍普天間基地の移設問題について「日本政府が安全保障をどういう方向に導こうとしているのか理解できない」と述べ、現政権の外交・安保政策を批判した。


これに対し、谷垣氏は「来年1月の名護市長選に解決を任せるのは間違い」と語り、年内に政府の方針を決めるべきだとの考えを示した。

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●アーミテージ氏の当惑は当然


そりゃそうでしょう。アーミテージ氏の当惑は当然です。だって、おそらく、鳩山さん自身だって、日本の安全保障をどうするかわかってないんじゃないのでしょうか。


というか、鳩山さんは、まじめに日本の安全保障を考えたことが一度もないんではないでしょうか。


今の鳩山政権は、ほんとひどいですよね。


日米同盟は、軽視しまくり。だからといって、自主防衛に向かう努力もまったくしない。そもそも防衛費は、削減の対象。現下の最大の脅威であるはずの中国とは「友愛精神」なるもののもと、「共同体」作りに邁進しようとしている。(中国は、ここ4年間で軍事費倍増。日本は、増やしていないどころか、減らしてさえいる。)


どのように、日本の近い将来の安全を守るつもりなのか、まったくわかりません。無責任、きわまりないです。


この状態を、日本の大部分のマスコミも、日本の安全保障の危機だとして、真剣に批判するつもりがあるようにはみえません。


GHQ、つまりアメリカは、60数年前に、日本が二度とアメリカにとっての軍事的脅威として復活しないように、日本を安全保障面で無力化してしまう政策をとりました。その政策は、まさに大成功というか、成功しすぎてしまって、アメリカのほうが少々うろたえてしまうような結果になってします。皮肉といえば皮肉な結果ですが....。


●「安全保障上の脅威を認識しない人」=「知的な人」??


戦後のマスコミや大学などの自称「インテリ」の業界は、安全保障のことをまじめに考えない人ほど、「知的な人」、「賢い人」、「リベラルでかっこいい人」というふうに考える雰囲気がずっとあるようです。安全保障問題に無頓着かつノーテンキであることが、インテリ業界での出世の早道だといえるでしょう。


(おそらく、「インテリ政治家」を自認していそうな鳩山さんも、安全保障上の脅威になるべく無頓着であるほうがリベラルな感じでカッコイイとでも思っているのではないのでしょうか。だから、友愛とか言っているんでしょうし。)


戦後のマスコミや大学では、外国の悪意・敵意、安全保障上の有事などの存在を指摘すると、「インテリ」を自称する人ほど、「前のめりになるな」とか、「そういう認識こそ、外国を刺激してしまう」とかもっともらしく述べ、外国の脅威や有事の可能性を指摘する人を右翼よばわりし、知性に劣ると毀損する傾向があるようです。


●現実主義と尚武の精神との回復を


その結果、有事法制の必要性を指摘した自衛官のトップを馘にしたり、北朝鮮の拉致を認めようとしなかったり、領土問題を進んで棚上げにしたり、戦後の日本人の安全保障の意識は、ある意味、むちゃくちゃでした。


もういい加減、そういうのやめないとまずいですよね。そういうのをやめないと、我々自身の世代も、それに子どもや孫の世代も、ほんとにとんでもない羽目に陥りってしまうように思います。


武士の戦略的現実主義と、最終的には自分たちの身は自分たちで守るという尚武の精神とを、取り戻さなければと思います。知性が要求するのは、本当は、こうした冷厳な現実主義と独立自尊の精神でしょう。


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