思い出す日々 『ののはな通信』 | 風信子 

風信子 

 いらっしゃいませ。こちらは読書日記中心のサイトになります。本を好きな方が一時楽しんでくだされば嬉しいです。

 横浜のミッション系のお嬢様学校に通うののとはな。二人は親友同士。

 

 ののこと野々原茜は庶民の家庭育ち。クールで毒舌。

 

 はなこと牧田はなは外交官をしている父と父に付き添って海外へ行っている両親とは離れて妹と二人で暮らす。甘え上手で天真爛漫な少女。

 

 学校で手渡すメモ。葉書。手紙。学校で話しても話足りない互いの気持ちを手紙に託して二人は繋がっている。

 

 それが互いの中で恋に変わり、ののの裏切りで二人の関係は壊れていく。

 

 高校、大学、そして二人が別れてから20年後、ずっと続く往復書簡。

 

 『ののはな通信』 三浦しをん著

 

 image

 私は世代が二人とほとんど同じなので、似たようなことをしていたなぁとまず懐かしく思いました。

 

 私の一歳上の友人と頻繁に手紙のやり取りをしていました。当時は電話で長話なんてできなかったし、同じ市内ではありますが、頻繁に会うことができない友人にはこうして手紙でやり取りするしかなかったんですよね。

 

 今もその手紙は大事に持っています。ののと同じだなぁ。もちろん、この二人とは全く違い、本の事や進路の相談が多かったです。

 今では電話で話すことが普通になり、お互いに親の介護という問題を話すようになってしまった(笑)

 

 だからこそ、この二人の手紙のやり取り(最後にはメールも使われますが)に親近感も感じます。

 

 これだけ激しい感情を互いに持てることをうらやましくも思いましたし、反面、穏やかなやり取りをずっとしてきた友人に感謝したい気持ちになったりもして……。

 

 手紙にしても日記にしても、書くという行為は誰かに読んでもらうということを意識しているものです。

 だからこそ、f後半、フリーライターとして働くののと外交官の妻として内乱が起った国のためにできることを考えるはなの、互いの心の叫びのようなやり取りに、私自身も二人の中の一人として心が揺さぶられるのでしょう。

 

 私は書簡形式の文章があまり好きではないんですね。(だから、あしながおじさんも苦手😅)

 

 ですが、その苦手意識を飛び越えて、読み続けることができたのは、ののとはなとは違うけれども、同じような懐かしい日々があったからかもしれません。

 

 大好きだわ! しをんちゃんラブラブラブラブ