民俗学は楽しいぞ! | 風信子 

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 いらっしゃいませ。こちらは読書日記中心のサイトになります。本を好きな方が一時楽しんでくだされば嬉しいです。

 民俗学というと、おそらく、多くの人が遠野物語を思い浮かべるんでしょうね。

 

 ですが、基本的には日常生活関連の類は民俗学になるのかな?(すいません、専門的に学んでいないので)

 

 民話とか怪談も民俗学に入りますし、伝説もそうなりますね。

 

 日本だと民俗学=遠野物語の図式がインプットされてしまっている人が多いでしょう。

 

 海外だと、著名なフレイザーの「金枝篇」とかハイネ(詩人のハイネです)が書いた「流刑の神々 精霊物語」とか、フランスのダーントンの「猫の大虐殺」などは名著でしょう。

 

 うちには他にも吸血鬼関係、人魚関係、勿論、妖怪関係もそろっております。一番、目立つのがTちゃんがゆずってくれた「ロシア妖怪譚」でしょうか(苦笑)

 ビリービンの大ファンの彼女は彼の描いたバーバーヤガーの絵がお気に入りなんですよね。(日本で言うところの鬼婆で、鶏の足の上に建った小屋に住んでいます)たいていは一本足で書かれる足が、ビリービンは二本足。私も彼の絵は少しだけ見ているので、そういった感性は凄いなぁと思います。

 

 私はロシアの妖怪ならばゴーゴリ―が描いた「ヴァイイ」がお気に入りです。ずんぐりした体に重たい瞼に覆われた一つ目の妖怪。

 

 亡者と化した美しい娘にたぶらかされて、真夜中の教会へ彼女に会うためにやってきた神学生。その彼が亡者である彼女と彼女が引きつれた妖怪に達に捕まりそうになった時、神の慈悲で神学生の姿を見ることができなくなります。

 どうしても彼をおいしくいただきたい妖怪たちが「ヴァイイ」を連れてきて、その瞼をみんなで押し上げて、学生を見つけるというところが面白くて(^^♪ あの、あー、見つかる、見つかるというハラハラ感がたまらないてへぺろ 映画にもなってますし、ゲゲゲの鬼太郎にも似た話があるんですよね。

 

 よだーん:私はむちゃくちゃゴーゴリが好きなんですよ。ロシア文学を読んでいるというと、たいていトルストイかドストエフスキーと聞かれますが、他にも作家はいるんだよと思う人間です。あ、ショーロフも好き✨

 

 土葬ってやはり怖いものなんだなと、「ヴァイイ」を読みながら思ったり、赤ずきんの原型はフランスなんですが「猫の大虐殺」の中でこの辺りの話が書かれていて、あー南は最終的に食べられる話が多いなと友達と話したりしてます。北は亡者になって襲うパターンが多いですねぇ。

 

 学問的にどうということではなくて、例えば、夜になぜ爪を切ってはいけないとか、お葬式の時にすべてを生きているときと逆さにして行うとか。そういうことを知ることが、私には面白いんですよ。この学問もきちんと学んでいくのは大変だと思います。(お金にならない学問だから)

 

 でも、その国とか人の根っこの部分を支えているのが民俗学だと思うと残していくべきだと思うんですよね。つくづく宮田登先生の早逝が惜しまれます。彼の本は本当に面白いので一度手にすることをお勧めします。私は「ヒメの民俗学」とか「怖さはどこからくるのか」とかをお勧めします。ゴジラも妖怪を言い放った偉大な学者でもあったんですけどね。

 

 金枝篇は海外文学が好きな人は一度読むことを勧めます。必須要件がかなり入っているので、本を読むのが楽しくなりますよぉ。(フレイザーは他にも「火の民俗学」とか「キリストの民俗学」などの私にはワクワクの著作があって大好きです音譜

 

 日本の民俗学の本で柳田以外でお勧めは「河童駒引考」とか「桃太郎の母」、「十二支考」等々ですか。

 興味のある所から読むのが楽しい、それが民俗学の最大の魅力かもしれませんねニコニコ

 

 

 

 

 

 

 金枝篇は岩波文庫と筑摩と両方持ってます。

 

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