ちまちまと読み続けていた円塔さんの「文字渦」を完読。
実験小説ですね、日本版フェネガンズ・ウエィクと語っていた方がいましたが、まさにその通り。あれも訳すの大変だったろうなと思ったけど、円塔さんって海外でも評価高いんですよね。翻訳する人大変そう、特にルビと本文が違う物語になってる「金字」のところ
どの短編も面白かったんですが、私が個人的に受けたのが源氏物語が最古の同人誌で、源氏物語絵巻は最古の2次創作だと書いてある「梅枝」
確かにね、確かに、紫式部は帝の命令でこの作品を書いたわけではないし、内容もそれなりにスリリング (だって、光源氏って帝=自分のとうちゃんの奥さんを寝取って、その時できた子供が次の帝とか、文○並みのスキャンダル文学! これは私の個人的な感じ方なので、怒らないでね)
奥の細道とかのことも書かれてますが、この部分で目が点! 世界文学を同人誌、その絵巻を2次創作……。
面白い感性ですよね。なんとなく、円城さんって「トリストラム・シャンディ」とかも好きそうだなぁと(私が好きなんですよ、これは♪)
元々は中島敦の「文字過」からの発想だったそうですが、こんなふうに料理されたら、中島敦も満足でしょうね。
因みに私は中島敦が大好きです。特に彼の「悟浄出世」等がね。西遊記好き
まだ円城さんの本は積み上げてあるものがあるので、早く次へ進みたいなぁと思っております。
ですが、明日は大江さんの全集を取りに行かなきゃだし、13日ぐらいに操觚の会のアンソロが届く予定なので、そちらを先に読みそうでけどね。
「もののふの国」も面白いです
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