22




母さんへ
 
 
忙しいことを 理由に 帰らなかった私を 
 
来る日も 来る日も 待っていたでしょうね
 
 
帰りたい でも 帰れない
 
帰ったら もう 二度と ここへは 戻りたくないって 言い張って
 
自分の家族を バラバラにしてしまう危険性が ず~っとあったから
 
 
帰りたいからこそ 帰れなかったの
 
 
まだダメ もう少し
 
もう少し 自分が 自分の築いてきたもの 築いて行くものに 納得するまでは って
 
思って生きてたの もしかしたら母さんは 予想してたかもね
 
 
 
だから 全てのタイミングが この季節だったんだね って 思ったよ
 
 
私の娘達も それぞれの道を 生きてるし
 
私も 楽しめる仲間に出逢って 充実した毎日だったし
 
今だったら 帰ってもまたここへ 戻る確信あったから
 
 
休みを取って
 
チケットも 手配して
 
帰る日を 待ってた矢先
 
 
呼ばれて 駆けつけたけど 母さん もう 冷たくて
 


ただいま ごめんね 今頃
 
もうちょっと待ってて なんて 言えないよね いっぱい いっぱい 待たせてさ

 
なのに 母さんの顔は 安らかで 穏やかで 優しくて 可愛くて
 
 
 
私を 呼んでくれたんだね
 
予定してた 休暇は 私ひとり帰省の予定だったから
 
そんなことじゃ いけないよ 家族でたまには 顔見せて って
 
そういうことだったんだね

 
 
 
母さん
 
私は ひとりで生きるようになると思うよ
 
 
 
母さん 今なら そういう生き方を選ぼうとしてる 私を
 
責めたりしないでしょ?
 
そういう 子だってこと わかってたよね?
 
 
 
あなたが 自分で 決めた相手でしょ って言って
 
あきれてるかもしれないけど
 
 
私が このままじゃ 寂しすぎることも ちゃんと 見ててくれるよね?
 

 
 
実家は 暖かで 優しいけど
 
そこも 自分の場所じゃないこと ハッキリしてるし
 
 
私 母さんが 世を去って 気がついたことは
 
やっぱり 私の生き方は 変われないって 部分だったよ
 
 
  
 
 
夢にすら 出てきて くれなかった 母さん
 
最後の 夜に 一回だけ 呼んでくれたね

「まっこ!」 ってね
 
 
あれは 
 
「あんたも 来てたの?」 って いう 呼びかけだった
 
あはは 娘だもん 来るさ って 応えたよね
 
 
そうなるまで 放っておいて ホント ごめんね 母さん
 
天国で 逢おうね
 
くこ姉も いるでしょ?
 
 
 
ちゃんと 納得して 生きて
 
それから 行くから 待ってて 欲しいよ
 

 
 
私は 私の求める方向へ 進むように生きてくよ
 
 
 
母さん
 
 
 
 
私は 母さんの 娘で 良かったよ
 
母さん 大好きだったよ
 
 
ありがとう
 
 
 
 



ありがとう そして ごめんね