初めてショートケーキなるものを 口にしたのは 小学2~3年の頃だったと思う
それまでケーキと言えば バタークリームのもので
クリスマスの時期だけ 食べるものだった
いちごをのっけた 真っ白い生クリームのショートケーキはいただきものだった
私の育った家では 季節の初物やいただき物は 必ず
一皿(一人分)をお仏壇へお供えした そして 気持ちとしては
ご先祖様も常に家族と一緒に 同じものを食べてる感覚で
皆が食べてる間は お供えしたままだったと 記憶している
もちろん今でも そのようにしている ハズだ
(かなり長く帰っていないので確認してないが)
それが 我が家の常識だったから 不思議にも思わず そうしていた
それで ショートケーキだが 初めて口にして
あまりの美味しさに感動して 食べ終えてしまうと
お仏壇の もう一つが とても気になる すっごく気になる
どう~したって気になってしまうのだ
私 には おやつを分け合うような 年の近い兄妹はいなかったし
末っ子だったから (兄とは9歳離れていた)そういう時の
『いい思い』は充分受けている
それなのに気になってしょうがないのだ
でも 『欲しがってはいけない』が 徹底して 身につくように育てられたので
欲しい素振りも許されなかった あとで その残りの1個は
自分が食べられるという自信はある それを母に確認したい
そう思ったとしても それは いただける時まで じっと待つのが 母の躾だった
それから 今1個食べたばかりだし もう1個も今すぐ食べたいなんて
間違っても母に言ったりする事はできないのだ そんなことを言ったら
絶対に叱られるし 未来永劫 二度とショートケーキを食べるチャンスはやって来ない
だから 必死で我慢した
子供だった自分は 子供は誰もが当然 どの家庭でも
そのようにしなければならないものだと信じ込んでいた
ところが 友達の家では 兄弟でおやつを取り合いケンカして泣き出したり
勝手に食べたい物を 出して来て 食べたり・・・
『大人に見つかったら』と思うと怖くて怖くて いたたまれない気持ちになったものだったが
成長するにしたがって 色んな家があることを知って驚いたものだ
とくに 食べる物についての常識は 各家庭で大きく違う
母の作ったものを皆が頂くのが当たり前で 残すほどお皿に取り分けることも厳しく叱られた
だから今でも私は食品を捨てることが 出来ない
気が付くといつも残りものを食べていたりするのだ
貧乏性って 笑われることかもしれないけど・・・
気になってしょうがなかった 思い出だけが鮮明で
結局残り1個のショートケーキを食べたのが自分だったのかどうかは覚えていない
今の時代に ショートケーキ1個に こんな執念を持つような子供はいないだろう・・・な