なつかしい | \akane's slow life/

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日々おもったことを適当に~(^_-)♪

 
 
おじいちゃんが死んだ
あの秋の日‥
 
 
なつかしい
 
 
まだ泣けるんだ、
しっかり思い出すと
まだ涙が止まらない
 
 
 
おじいちゃんの部屋に行くと、いつだって笑顔で「おおっ、茜ちゃん」って笑ってくれた
 
 
食事の作法を厳しく注意してくれてた
 
部屋から出てこないけれど、盆栽だけは手厚く育ててた
 
 
進路や将来の夢、部活の話、何でも聞いてくれた
 
 
気づいたらおじいちゃんは
 
食事の時間にダイニングに来なくなった
 
 
盆栽が、前来たときのままだった
 
 
テーブルに積まれてる薬の数が増えてた
 
 
声が枯れて、聞き取りづらくなってた
 
 
ある日おじいちゃんの部屋に行くと、おじいちゃんは居なかった
 
 
のどのガンで、何度となく入院と手術を繰り返していたらしい
 
 
毎日の生活に必死だった私は、単なる1経過情報として聞き流してたように思う
 
 
 
ガンを知らせる祖母からの電話を切った後父が、
 
「あの親父がガンか‥」
 
 
とぽつりと言ったのを聞いたとき涙が急に溢れて二階へ駆け上ったのを覚えてる
 
 
その時書き殴ったノートは今でも残ってる
 
 
何度めかの手術が終わったあと、祖父の容態が急変してすぐに国立病院に呼ばれた
 
 
そこには私の知ってる祖父はいなかった
 
 
年輪を刻んだようなしわは、全身に転移したガンによってひき伸ばされ、顔がパンパンに腫れていた
 
一瞬誰だかわからなかった
 
 
同時に怖くなった
 
 
 
音を立てて息を吸うおじいちゃんの耳元で呼びかけることさえ出来なかった
 
 
おばや母、祖母たちが必死に祖父を呼んでるのをただ立ち尽くして見ていた
 
涙だけぼろぼろ溢れて
祖母に声をかけるよう促されても頑なに嫌がった記憶がある
 
 
なぜ?
 
分からない
 
 
プライド?
 
そうなのかも
 
 
初めて人の死を目の当たりにした恐怖と悲しみと、それから気高き自尊心が素直に心を露わにすることを邪魔していた
 
 
やっちゃんが電話を通して祖父を呼んだとき、今まで無反応の祖父がうめいた
 
涙があふれた
 
 
自分は何をしてるの?
 
 
 
あすか姉ちゃんが駆けつけた途端、おじいちゃんを抱き寄せて泣き崩れていたのも、私は傍らで見ていた
 
 
どうして私は
そう出来ないの?
 
 
 
かわりに涙だけが止まらず溢れていたが、結局最期まで私は祖父の名前を呼べなかった
 
声をかけれなかった
 
 
ただずっと内出血まみれの手のひらを握っていた
 
 
 
その時、ほとほと私は私に愛想がついた
 
馬鹿だと心から思った
 
どうしてと
心から悔やんだ
 
 
だからこそ
あの時の全てを私は未だに覚えてる
 
 
その後死んだおじいちゃんと一瞬に車に乗って家に帰ったこと
 
お通夜の時、祖父が寝る布団のそばからずっと離れなかったこと
 
あの時のお寺の匂い
 
納骨の時の蒸し暑さ
 
通った道
 
お墓へ埋葬した日のうだるような暑さ
 
初めてみた父の涙
 
急に咲き出した彼岸花
 
 
 
何もかもを覚えてる
 
 
葬儀の日の夜、おじいちゃんに宛てて書いた手紙
 
 
届いたんでしょうか
 
 
あのとき
自分に愛想を尽かして
ただただ目の前の死に鬱になるほどの悲壮感を抱き、何故私とおじいちゃんの人生は15年しか重ならなかったのかと嘆いた
 
 
死の招く悲しみの大きさをただ嘆いた
 
 
 
今でもするりとうまく思い返すことができないのは
自分への失望の大きさ故だとおもう
 
 
人が死ぬことは自然なことなんだ、分かってるんだ
 
 
でもきっとあの匂いを嗅ぐと、あの場所へ行くと、彼岸花を見ると、ぎゅっと苦しくなる
 
これから死ぬまで
それは変わらない