今年は
コグトレという本や
コグトレを取り入れた症例報告を
発達障害児関連で
見かける事が多くありました。
私は読んでいないのですが
発達障害があるお子さんに対して
認知機能のゆがみを直す、
認知機能を強化するトレーニングが必要
という主張には、
違和感を感じています。
私自身は、
精神疾患によって
事件(暴力、殺人、性犯罪、窃盗、放火など)を起こした方が
医療観察保護法に基づいて
精神疾患の治療と
社会復帰支援を行う仕事をしていました。
中には、
精神疾患が重く
事件を内省したり
事件を正しくとらえなおすことが
難しい患者さんもいらっしゃいます。
認知機能がゆがんでいる、
という表現が当てはまるかもしれません。
ただ、そうした患者さんも
再犯せずに社会生活を送ることは可能です。
手厚い医療と
支援者との信頼関係作り、
福祉サービスの利用によって
精神疾患の悪化や再犯を防止することは可能でした。
必ずしも
認知機能のゆがみを直す必要はないのです。
認知機能のゆがみがあるからといって
必ずしも
非行や犯罪を起こすわけではありません。
認知症がある患者さん全員が
交通事故や
犯罪を起こすわけではないのと同じです。
まず必要なのは、
本人をエンパワメントすること
信頼できる人間関係づくりをすること、
環境を整えるなど
周囲が支援できる体制作りではないでしょうか。
特別支援教育の現場では
人手が足りていないというお話も聞きます。
本当にコグトレだけが、
発達障害があるお子さんに必要かどうかは
広い視点で検討しなくてはいけないと思います。
流行しているからといって
安易な方法に、
飛びつかないで欲しいと願っています。
『子どものための精神医学』
この本は、児童精神科医の立場から
発達障害があるお子さんの
育ちの支援について広い視点で書かれています。
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子どものための精神医学
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