演奏したい曲と演奏するべき曲

なんでもそうですが物事にはTPOというものがあります。我々も出張演奏の依頼を受けた場合は、現場の雰囲気、お客様の性別や年齢層を確認します。

そしてその場に相応しい楽曲を選曲します。その結果、演奏者としてはあまり興味の持てない内容になってしまったとしても。

誰の為の演奏なのか?という事を考えれば答えは簡単に出る筈なのに、ミュージシャンはエゴを抑えられない人が多いんですよね。

怒っちゃうんです。そんなん演れるか!ってね。でも僕は絶対にそんな事しません。えっ?プライドはないのかって?いえプロとしてのプライドがあるから依頼主様のご希望にお応えしようと思うだけですよ。どんなに自分が知らないジャンルでも出来る限りのことはします。

知らない曲を楽譜だけ見て演奏するって事はしょっちゅうあるんですけど、そのジャンル自体に対して知識が無い場合は正直ちょっと困りますが、最近では検索すれば大抵の事は調べられますからね。例えば現場で急に「今日はドミニカ共和国のお客様が多いのでメレンゲをお願いします!」と言われても(メレンゲ 有名曲 リズムパターン)と検索すれば、メレンゲというのはドミニカ共和国の2拍子のリズムのダンスミュージックで代表曲は何々で…と分かります。そしたら後は楽譜を書いて演奏するだけです。それでお客様に喜んで貰えば、依頼主様も喜ぶ。そしてまた依頼を頂ける。となる訳です。

こんなの他のビジネスなら基本中の基本だと思うのですが、音楽は「芸術」とか「表現」とか「アーティスト」といった言葉の魔力で"お金を貰う側が威張る"という怪現象がまれに起こるんですよねー。
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