高3はほとんど学校に通えなかった 高1からずっと同じクラスの子たちとまた同じクラスになってしまったからだ。

普通は喜ぶべきことなのだろうが、高2で私が不登校気味になってしまい 愛想をつかされたのである。

そして、勝手に「私はここに居ちゃいけない人間なんだ、いや、人間以下の虫けらのような 人権すらない人間なんだ」と自分を追い込み、より孤独感を深めた。

学校で少しは私を気にかけてくれる人がいたが、その人たちとはあまり気が合わなかったし好きではなかった。

前つるんでたグループのぶりっ子女と美少女オタク女、それとKPOP好き女だ ありがたくはあったが性格が合わなかった。

だから私は、休み時間は教室の隅でいつも好きな芸人の深夜ラジオを聴きながらゲームをしていた。

その態度はより 人を私から遠ざけたであろう。でも それでもかまわなかった。教室の喧騒と孤独感を感じずに済むから。

そんな感じで学校を休み休みだが 高2はギリギリ乗り越えた。だがもう一年頑張る気力は、もう残っていなかった。

 

そして高3の夏休みに、商業高校を辞めて通信高校へ転校した。

転校の手続きがほとんど終わり 学校に置いていた教科書や文房具などをとりに学校へ行った日

担任にひどい仕打ちを受けた。

「クラスの人たちに私のこと言いました?」

「言わないでって 君に言われてたから言ってないよ」

「そうですか。ありがとうございます。

でも、何か反応ありました?」

「一人だけ聞いてきた人がいたけどそれだけだよ」

「そうですか・・・」

予想はしていたが少し寂しかった。

そして教室に着き 私はカバンに荷物を詰め始めた。

かがんだ拍子に胸ポケットに入れていた紅いウォークマンが落ちてしまった。

それを教師が拾い上げひとこと言った。

「なんだw タバコかと思ったw」

そんなわけないじゃないですか と笑って返したが少しムカついた。冗談にしてもつまんねーんだよクソが と内心悪態をついた。

そして、教師が

「てか 君 この学校辞めたんだから、制服着てきちゃダメだよw」

と言ってきた あいつにとっては何気ない一言かもしれないが、私が死にそうになりながら通った2年ちょっとを否定されたように感じた。

それに、事務局に事前に制服で来ていいか聞いて許可を得たのに・・・

荷物を詰め終わり 学校を後にする前に 私は最後のお願いをした。

「変なお願いかもしれませんが 校舎の窓から見えるお墓をしばらく眺めさせてもらえませんか?」

「別に構わないけど ほんとに変だねw」

最期まで教師はクソな発言しかしなかった。

窓からお墓を眺めながら 高校の2年間を軽く思い出したりこの学校への別れを惜しんだりなんて感情はわかなかった

ただひたすらその景色を目に焼き付けていた。

家に帰り 母親に今日あったことを話していたら涙があふれてきた その時初めて 自分が今日 傷付いていた事に気が付いた

最後まであの学校はあまりいいことがなかったなぁ

最期くらい多少なりともいい思い出が欲しかったなぁ 悔しいな 辛いな 惨めだな・・・

色々な負の感情があふれて止まらなかった。

母は、私と一緒に怒ってくれた それだけが救いだった。