鬼首
標高1,155mの小柴山山麓に広がるオニコウベスキー場。随分昔に滑りにいって以来ご無沙汰だった。機会があって春先に訪ねたのだが、白銀の世界とは趣がかなり違っていて、緑なすゲレンデは目に美しく、隣の禿岳(カムロダケ:標高1,262m)が雪を頂きながらその峻厳な山肌を見せつけていた。啄木の詩に「ふるさとの山に向かいていうことはなし ふるさとの山はありがたきかな」というのがある。まったくその通りなのである。スキー場の反対側の吹き上げ高原には子供の頃よく訪れた、天然記念物の間欠泉があり、今はなくなってしまったが、鬼首高原荘から眺めるカムロ岳は子供ながらに感動したものだ。国道108号線を北に向かって鬼首峠を越えれば秋田県、右手は岩手県、左手は山形県。地震の影響で今は行けないかもしれないが、昔からの要衝の街道がつながっている。