temperって、少し面白い単語じゃないですか?

 

辞書引くと「調節する」が原義だと書いてあって、具体的意味としては「気質」「怒りっぽい気質」「平静な気分」などの訳語が出てきます。

 

正反対の意味を持つ単語ということになります。

 

気分・気質を調節するから怒りっぽい局面や平静な局面が出て来るんでしょうね。

 

原義から考えると、理屈が通っています。

 

temperatureが「温度」で空気が自分の状態を調節しているというイメージでしょうかね。

 

temperanceが「禁酒」とか「節制」とかいう意味でやはり調節するという原義を残しています。

 

temperateの「温暖な」「節度のある」もそうですね。

 

日本語の「加減」を「いい加減」と使う時、「どうでも良くて適当」という意味と「良い具合」という意味に分かれますけれども、それとちょっと似ています。

 

東西で同じ発想だったんですね。

 

温度を表す古文単語というのは思いつきませんが、天気は平安時代、「天気(てけ)」でした。「天の気」なわけで、僅かに似ているとも言えるでしょう。

 

「すさまじ」という古文単語が「興覚めだ」を基本に「ものすごい」「甚だしい」という少し中立的意味からはっきりと「恐ろしい」に至り、現代では「ひどい」で定着しているのも参考になります。

 

「いみじ」が良い意味でも悪い意味でも使って「程度が甚だしい」とかも同様でしょうか。

 

英語と日本語で、似た意味の広がり方をする場合も、随分違った意味の広がり方をする場合もありますが、言葉は考えていると面白いです。