(新潮文庫、平成5年3月)。

柳田が取り上げた言葉を眺めたぐらいの読書とは言えないレベルの読書。

そのレベルで印象に残ったもののメモ。

 

。「オ礼ヲスル」

日本人は礼儀正しいということになっています。

「礼」という最も大切なところ、漢語なんですね!!

大和言葉ないんですね!!

つまり、本来の日本語に「礼」という概念はなかったか、……。

不思議ですね。

面白いですね。

 

。「モッタイナイ」

昔、マータイさんが広めてくれた言葉です。

日本人の特色みたいに思われています(一部で)。

でも、この言葉も漢語中心ですね。

少なくとも、この言葉の意味全体に対応する大和言葉はないわけですね。

つまり、……上に同じで……このような概念は本来の大和言葉になかった……。

言語化する必要がないぐらいに当たり前だったということであってほしい……。

 

。「イル」(イルという言葉は命令形も無く、又過去形もめったに現われることが無く、果して動詞であるかどうかも疑わしくなって居ますので、……)

柳田先生、「ちょっと言いすぎでしょう」という感じですが、……。

また「居る」とか「要る」とか「入る」とか「いる」とかをどこまで語源近くに遡るかでも考察が変わると思いますが……。

ただ、普通の人は気づかない「イル」に「命令形も無く」という感性は流石だと思いました。

 

。「ナルホド」

「ナルホド」が語源的に「成程」だとすれば、「自然(じねん)にそうなるレベル・段階(だ)」といった意味でしょうか。

意志性でなく、自然(じねん)を重んじる日本人の感覚が出ていて、とても面白い言葉だと思いました。

 

※私は新潮文庫で読んだのですが、アマゾンで新潮文庫は出てきませんでした。