(講談社ブルーバックス、2000・12)。

すごく面白かった。

中高の数学教師は皆この本を読んで、生徒にマメ知識を伝え、数学に興味を持たせるべきだ。

そうしないのは怠慢だ、と思わせる本。

 

(86頁)アラビアのアル・ファーリーズミー(al-gebr w`al mukabala)という商人が釣り合っている天秤の両側に同じ重さの物を加えても減らしても平行は変わらないというところから、等号の左右に同じものを足しても引いても変わらないという、方程式の解き方(移項法)を発見した。

          (例)a+b=cのとき、a+b+10=c+10

当時としては大発見で、al-gebrの名前からalgebra(代数学)やalgorithm(アルゴリズム)が生まれた。

 

(112頁)大砲の射程を計算するために三角関数が発達した。ナポレオンが砲術がうまく、兵士にも三角関数表を暗記することを強要した。こうした環境で三角関数をやれば命がけになって、みんな随分進歩するのではないかと思う。

 

(123頁)17世紀、イギリスが世界と交易するようになると、世界の伝染病がイギリスで流行するようになった。当時市民は教区ごとに教会に属しており、教会が誕生・結婚・死亡などを記録していた。……日本近世の檀家制度と近いなあ。影響関係があるのだろうか?

 

(134頁)統計学の英語は「国」という言葉から出ている(国勢を統計学によって調査するから)。

       国=  state

                    統計学=statistics