フランシス・ベーコンの『ニュー・アトランティス』は、
1627年に出版されました。
漂流してベンサレムという孤島に流れつきますが、
そこは大変文明が発達したところで、
ソロモン学院という総合的な科学研究機関を
持っていました。
ベーコンが理想とする学問のあり方を
小説にしたもので、
同時代以降への影響が大きく、
自然科学者たちは研究サークルを立ち上げ、
1660年にはイギリスに王立協会が設立されました
(今でも続いてます)。
オクスフォード大学に影響を与え、
ユートピアを描いた作品の流行を生みました。
私は読んでみて全く面白くありませんでした。
第一文を除いて……。
第一文はこういう文です。
「ペルー(そこには丸一年滞在した)を発った私たちは、南海〔太平洋の旧称〕経由で、中国と日本をめざして出帆した。」
日本が出てくるんですよ!!
科学組織誕生という大きな役割を果たした本に。
嬉しかったです。
※ベーコン著、川西進訳『ニュー・アトランティス』(岩波文庫、2003年12月)。