快勝でも完勝でもなかった気がしますが、とにかくジャパンはルーマニアに勝利しました。33-21(前半23-9)。前半は素晴らしい出来で、このまま50点くらいまでスコアを伸ばすかと思いましたが、ルーマニアも意地を見せました。相手もキレないのはテストマッチならではかもしれない。

   ジャパンは前半から積極的にボールを動かしました。スーパーラグビーに比べるとルーマニアのディフェンスはプレッシャーが緩いため、ジャパンは楽にボールを動かして、両サイドで何度も突破を図ることが出来ました。10番に入った小倉順平が良かった。ルーマニアクラスが相手だとボールを持ってからの判断に余裕があるし、自らボールを持って仕掛けるプレーも存分に出来ていました。後半開始早々のリーチのトライへのラストパスが良かったです。

   2015RWC以来の代表復帰となったリーチも気合の入ったプレーでした。ジャパンの攻撃の起点は両サイドタッチライン際で構える6番と8番。ここにリーチとアマナキ・マフィというボールキャリアーが居るだけで相手には驚異です。後半途中から入ったツイヘンドリックも含めてバックローのボールキャリーはジャパンの強み。その良さも出たと思います。

   ハイパントなどキック対策もスーパーラグビーを経てかなりレベルアップしたように感じます。ただ、ルーマニアクラスは不用意なキックからカウンターを切り返すほどの力は無いので、今後強いチームと対戦した時にキック対策の習熟度が問われますが。現段階ではルーマニアクラスには十分強みとして発揮できるという事です。

   課題はセットプレーでした。明白な課題ですが、スクラムはレフリングとの相性もあったような気がします。ただ、どのチームも日本の低さに付き合わず、高く組んでくるので、対策は必要でしょうね。特にスクラムの強いチームが上から弱いチームを潰していると、レフリングは上にあるチームに傾きがち。ある意味、スクラムは採点競技ですから。ジャパンが組み勝つスクラムが1本か2本もあればまた印象は違ったのでしょうが。

    後半はシンビンも出てかなり心配でしたが、実はディフェンスでも踏ん張ってリードを保ち続けたことは収穫ではないかと思います。

   ルーマニアにしっかり勝って滑り出しとしては満足出来るジャパン。来週は強敵、アイルランドとの2連戦。主力を欠くアイルランドですが、米国で米国代表に55-19で圧勝しています。選手層も厚く勢いのあるアイルランドはライオンズ抜きでも強豪であることは間違いありません。