おんたけトレイル100キロ完走記(ゴール!) | 写真と動画を誰でも楽しく活用するお手伝い☆小西隆博☆映像写真作家☆ブログ

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 第三関門にたどり着き、熱中症の症状がある僕は、テントで横になっていた。
 気持ち良く寝ていた頃、「バサッ」と強い風が吹き、ブルーシートがめくれて僕を覆った。
 それで目が覚めた。
 20分程寝ていたのだろうか。
 少しでも寝られたことで、幾分疲れも取れた。
 僕は再び頭に水をかけて走り出した。

 ゴールまで約20キロ。
 残り時間は5時間半ある。
 これはいけるだろう。
 そう思った。

 しかし、このレースはそれほど甘くはない。
 すぐに登り坂に入る。
 その登りが険しい。
 延々と歩く。
 あと少しでゴール、そんな淡い気持ちを吹き飛ばすかのような延々と続く登る道。
 このレースは、5キロ毎に標識があるのだが、80キロから85キロの標識を見るまで、1時間半かかった。
 このペースでいくと、残り15キロに4時間半かかることになる。
 それでは20時までの制限時間に間に合わない。
 歩いているだけではダメだ。
 走らないと。
 そう危機感を抱いた時、下り坂が見えた。
 ここからは走ろう。
 そう決めて、下り坂を走りだした。
 しかし、体が相当疲れている。
 走りやすいはずの下りも、しばらくすると苦しくなって止まってしまう。
 足も心肺も疲れている。
 走っては歩き、走っては歩きを繰り返す。
 
 道はもうひたすら下り。
 山から一気に下山するようだ。
 下りは好きなのだけど、ここまで痛烈に長い下りだと足への負担も大きい。
 全体重が交互の片足にかかる。
 右足を踏み込む度に、右足首が痛む。

 ようやく山を抜け、小エイドステーションに入った。
 「あと6キロですよ。もう少し。」
 続けて走る気力もなく、そのエイドで座り込み休んだ。
 「大丈夫ですか?」と、スタッフに声をかけてもらうも、「少し休ませてください」としか言えなかった。
 あと6キロなんだ。
 時間は17時過ぎ。
 がんばれば18時までにゴールできるかもしれない。
 僕はスタッフにお礼を言って、歩きだした。
 休んだ直後は、筋肉が固くて走れないのだ。
 道は平坦か下り。
 走っては歩き、走っては歩きを繰り返す。
 前にいる何人かを抜いた。
 苦しいのは皆同じなのだ。
 
 あと2キロという標識が見えた。
 あと少し。
 だが、疲れていると、この2キロさえも長く感じる。
 ゴール会場のある公園が見えた。
 それなのにゴール会場とは、反対方向の道へと曲がっていく。
 あと1キロ。
 ゴール会場からまた離れていくコース設定。
 本当にどSなコースだ。
 ゴールが見えた。
 何人かの人が声援をくれた。
 手を振って応える。
 僕は両手を上げたままゴールへと向かった。
 ゴール。
 
 17時間52分18秒。
 18時までにゴールできた。
 
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 やっと終わった。
 100マイルに参加していた仲間が出迎えてくれた。
 僕のゴールを待っていてくれたのだ。
 炎天下の外で感謝である。
 残念ながら100マイルは途中でリタイアしたとのこと。
 
 僕らは宿に直行して、風呂に入った。
 体のあちこちがこすれた傷でしみる。
 でもそんなのはもう関係ない。
 
 ビールを飲み、夕食を頂く。
 そしてようやく布団に入れる。
 寝られることがこんなに幸せなんて。
 
 僕は安堵の眠りについた。