長野県王滝村で行われた、おんたけウルトラトレイルに参加したのは、仲間に誘われたから。
その仲間は100マイルに出る。160キロ!
自分にはそれは無理なので100キロに出ることにした。
100キロだって十分に大変だ。
先月、僕は岩手100キロマラソンに参加して、リタイアしている。
自信は全くなかった。
ただ制限時間が20時間あるので、時間をかけていけば可能性はあるかもしれないと考えていた。
大会前日とも言える7月16日、受付会場には16時過ぎに到着した。もっと早く着きたかったが、バスで道が渋滞していたのだ。
公園の簡素な会場。
そこで、ゼッケンを受け取りバスで宿へ向かう。
仲間はすでに宿に到着していた。
100マイル部門は20時スタートと100キロ部門より4時間前にスタートするので慌ただしいのだ。
仲間と夕食。それから大会に向けた準備。
制限時間20時間の長丁場。
食糧や水は多く入れたいが、入れ過ぎると重くなる。ジェルやバーなど軽くてカロリーあるのを入れる。
19時仮眠。
0時にスタートしてからゴールまで寝られないのだ。少しでも体を休めておきたい。
21時に起きて、着替える。ワセリンを脇や股、足指先にたっぷり塗る。筋肉痛対策のサロメチールもたっぷりと足に塗った。
今回、僕は初めての参加。仲間からいろいろな情報を教えてもらった。
サロメチールもその一つ。筋肉痛対策だ。
22時、迎えのバスが来る。
スタート会場へ向かう。
バスの中は満席だが、皆静かだ。これからの長いレースに緊張と不安を抱いているのだろう。戦地へむかう兵隊さんもこんな気持ちでいたのかもしれないと考えた。
10分もしないうちにスタート会場に着く。
約65キロ地点にある第2関門で受け取れる自分の荷物を預ける。
その中には、後半の食糧やエアーサロンパス、予備の靴など入れている。
スタートまで体育館の中で待機。
体を休める。。
隣りにいた人と話した。
若い女性で、昨年も参加して完走したと言う。
その人がアドバイスをくれた。
「ハイドレーション(リュック中のパックからチューブで水が飲める)の他に、ペットボトルを持って行った方がいいですよ。ハイドレーションは補充しにくいけど、ペットボトルは簡単に補充できるから。」
素直に従い、荷物になるのでスタート直前に捨てようと思っていたペットボトルを持って行くことにした。
このアドバイスが、後で自分を助けるとはまだ知らなかった。
23時半、スタート地点のグラウンドへ。コース説明を受ける。
100マイルの参加者たちはすでにスタートしている。600名ぐらいだろうか、100キロに参加する人達が黙ってコース説明を聞いていた。
スタート前、おはらいをする。さすがは富士山に並ぶ山の霊峰御嶽だ。
7月17日午前0時、日付変更とともに、OSJおんたけウルトラトレイル100KMがスタートした。
長い一日が始まった。
食糧。ジェルやバーなど、軽めのものを入れた。飴も。
スタート前の自分。不安一杯の時。