中国でやっかいなことのひとつに「愛国心」がある。
四川大地震では、寄付金が少ない外資系企業や国内企業を批判し、寄付金の多い企業には「商品を買おう」と称賛する始末だ。中には、社員の寄付額を公表しランク付けした国内企業もある。
中国のある友人が3000元(1元約15円)を寄付した。「テレビで悲惨な様子をみて少しでも助けになれば」と思ったという。
給料の半月分にも相当する額だ。この友人は「○○企業、歌手の××はわずかしか寄付していない」と具体的な額をそらんじてみせ、「愛国心を金の物さしではかるのは当たり前だ」と話す。
現実的な中国人ではあるが、裏を返せば、そこには“成績”が劣る者を糾弾する姿勢が見え隠れする。
北京五輪では開催国の中国が金メダルをどれだけ量産するか注目される。前回アテネ五輪の金メダル獲得数をみると、1位米国が35個、2位中国が32個、3位ロシアは27個だった。今回も米国、ロシアとの金メダル獲得競争になるだろう。
中国が金メダル数1位となれば国民の「愛国心」も高揚する。「大国意識」も高まるにちがいない。
「愛国心」は「国を憂う」のが本来の姿だ。四川大地震では他人を思いやる公民意識や憂国意識もみられ、「中国も捨てたものじゃない」と思った。
五輪では、活躍できなかった自国の選手や日本を含めた他国の選手の活躍に拍手を送るなど、相手を思いやる中国をみせてほしい。そうすれば、中国の「愛国」を見る国際社会の眼も変化するに違いない。
(北京 野口東秀)
「中華思想」も一長一短である。
ある意味、このような愛国心を今の日本の40代以下の人たちに、ほんの少しでももってもらえれば、日本の社会も変わるはずなのだが・・・。