【眼光紙背】深刻化するDVとデートDVの問題 | うつ状態で苦しむあなたを助けたいのです!

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私が躁うつ病を発症して29年目になりますが、躁とうつの波にもまれて苦しみのどん底にいた状況から8年前にようやくうつ状態を克服し、躁うつ病を薬だけ飲んでいれば症状が出ない寛解に至りました。今度はあなたが寛解する番です。

門倉貴史の眼光紙背:第37回

近年、日本国内で、いわゆる「ドメスティック・バイオレンス」(DV)の問題が深刻化するようになってきた。
今回のコラムで取り上げるDVとは、結婚している配偶者間で起きる暴力のことである。内閣府は、幅広い意味で使われることが多いDVという言葉は、正式には使わず、「配偶者からの暴力」という言葉を使っている。

たとえば、警察庁の資料によって、「配偶者からの暴力相談件数」の推移をみると、統計を取り始めた02年以降、年々急激に増加している様子が分かる。直近の07年における相談件数は、2万922件で前年比15.1%増となった。

また、内閣府が05年11月から12月にかけて全国の20歳以上の男女4500人を対象に行ったアンケート調査では、女性の約26.7%、男性の約13.8%が、配偶者から暴力を受けたと回答している。前回02年の調査では、女性の被害が約15.5%、男性の被害が約8.1%だったので、男女ともに暴力の被害を受ける人の割合が大きく高まっていることがわかる。

ここで、注意をしていただきたいのは、DVの被害が必ずしも女性に限られないということだ。男性がDVの被害に遭うケースも着実に増えている。従来、DVについては、社会的な「ジェンダー・バイアス」(男女の役割についての社会的・文化的な偏見・差別)が原因とされることが多かったが、男性のDV被害が増えていることを踏まえると、必ずしも「ジェンダー・バイアス」だけが原因とはいえない。

さらに最近では、結婚する前の交際中の男女間でDVが増えてくるようになった。こうしたDVは、通常のDVと区別して「デートDV」と言われる。
「デートDV」とみなされる行為としては①たたく、ける、モノを投げつける②バカにしたり、傷つく言葉を言う、大声でどなる③メールのチェックや友達づきあいを制限する④性的な行為を無理矢理する⑤デートの費用やお金を無理矢理出させる、などがある(横浜市男女共同参画推進課による定義)。
「デートDV」についてはいくつかの地方自治体がアンケート調査を実施している。

たとえば、神奈川県の横浜市が07年6月8から12月4日にかけて、横浜市内の高校・大学に通う男女計922人を対象に実施したアンケート調査の結果によると(08年4月25日発表)、交際経験がある人の中で実際に「デートDV」の被害に遭ったことがあるのは、女性で38.8%、男性で27.5%に上った。

では、なぜDVや「デートDV」の相談件数が増えているのか。男女間の関係は千差万別なので、すべてのケースに共通する要因を挙げることはできない。
ただ、大きな社会的背景として、男女を問わず、交際相手、あるいは配偶者を束縛すること、支配することが当然の権利と考える人が増えていることがある。また、若者を中心に物事が自分の思いどおりにならないと、それをストレスに感じる人も増加傾向にあることから、相手を束縛・支配したいという意識と、忍耐強さの欠如が複合的に重なって、DV、あるいは「デートDV」につながっている側面があると考えられる。

DVの問題が深刻化していることから、01年には議員立法で「DV防止法」が成立した。この法律では、DVの被害者の生命や身体に重大な危害が及ぶ恐れがある場合、被害者が裁判所に申し立てをすれば、加害者の自宅退去や被害者への接近禁止などの保護命令を出すことができる。さらに、08年1月には「DV防止法」の改正が行われ、暴力だけではなく脅迫についても保護命令の対象となった。

ただ、「DV防止法」の適用については、加害者、被害者双方の意見をよく吟味して慎重に判断をする必要がある。実際にはDVとはいえないのに、DVと認定されてしまうケースもあるからだ。またDVから逃れた人たちの自立支援をいかに充実させるかも今後の課題として残る。


プロフィール:
門倉貴史(かどくら・たかし) 1971年生まれ。エコノミスト。BRICs経済研究所代表。専門は、日米経済、アジア経済、BRICs経済、地下経済と多岐にわたる。オフィシャルサイト:門倉貴史のBRICs経済研究所