「百万遍」は、毎年、2月第2の土曜と日曜に行われる行事です。
但し、今年は月曜日が振替休日になったため、
例外的に、日曜と月曜にわたって行われました。
今年の「百万遍」は、3班の当番です。
班長の小林恒世さんを中心に、一連の作業を行いました。
3班以外では、土橋博文さんが、準備指導に来てくれました。
柳本幸一区長さんも、最初から最後まで手伝ってくれました。
当日 : 朝9時から : □□□ 祭祀の準備 □□□
当日 : 夜6時から : ★★★ 本番祭祀 ★★★
翌日 : 朝8時から : ☆☆☆ 「納の祭祀」と「片づけ」 ☆☆☆
□□□ 祭祀の準備 □□□
日曜日の朝9時に公会堂に集合し、およそ12時までの3時間、準備をしました。
男性は【竹取り】、女性は2種類の【神垂(しで)作り】、その他に【お札作り】 をしました。
「百万遍」 の “準備作業手順” を書いておきます。
【竹】
お寺の西側にある竹藪から、以下のサイズの竹を採取してきました。
50cm 竹の棒1本 (祭壇の中央上部に置く「御幣」用)
120cm 竹の棒4本 (祭壇上部を四角につなぐ棒)
140cm 竹の棒2本 (祭壇上部で交差してつなぐ棒)
280cm 笹付竹4本 (祭壇の四隅に立てる竹 : 笹付は上3分の1のみ)
【御幣】
祭壇の上に付けるもの。(下掲写真の右)
作り方は、その場に居なかったので分かりませんが、
完成形と下記の【紙垂B】の切り方と折り方を参考にすればできるでしょう。
【紙垂A:細長形状】
・1枚の半紙を2cm程の幅で交互に切り込みを入れるだけでできます。
・祭壇の周りに垂らすものです。
・8×4=32本作ります。
<紙垂Aに必要な半紙枚数 : 32枚>
・それぞれに、「30cmの定規」と「カッターナイフ」と「下敷き」を持参しました。
・「カットに使う下敷き」は、備品として揃っていたようです。
【紙垂B:通常形状】
・半紙を半分に切り(半紙1枚で、2つの紙垂が作れます)、
それを半分に折った上で、写真の様に3つ切り込みを入れて折るだけです。

・祭壇と室内の四隅を結ぶ藁紐に付けるものです。
・金剛地の軒数だけ作ります。今回は、71軒=71枚、作りました。
<紙垂Bに必要な半紙枚数 : 71枚÷2=36枚>
・祭祀が終わったところで、各家庭に配るよう、各班の班長さんに届けます。
【お札】
・金剛地の軒数だけ作ります。
お札の大きさは、半紙の4等分丁度です。
<お札に必要な半紙枚数 : 71÷4=18枚>
版木、墨汁、墨入れ皿、墨付け布、バレンは備品として揃っています。
〈 必要な半紙枚数 〉
紙垂A・B、そして、お札を作るのに必要な半紙枚数: 32+36+18=86枚。
半紙は、【御幣】の分を含めて、100枚分の用意があれば、十分です。
《祭壇の組立て作業手順》
① 中央に四角い木材棒を立て、それを囲むように、四角い竹の枠を造る。
② 中央の四角い木材棒の4面に、【紙垂A】(赤線)4枚を画鋲で止め、竹の横棒の上に垂らします。
そこで、③を含め等間隔になるよう、竹の横棒にセロテープで留めます。
必要枚数 : 4枚×4面=16枚。
③ 4面の竹の横棒に、それぞれ4枚の【紙垂A】(青線)をセロテープで留めます。
必要枚数 : 4枚×4面=16枚。

《 ②で、一挙に8枚を画鋲で留めてしまえば、③は不要でしょう。》
④ 四角い竹の祭壇ができたら、祭壇の四隅と部屋の4隅(フックあり)を藁紐で結びます。
⑤ 四方に張った藁紐に【紙垂B】を、およそ15cm間隔で付けます。
・今回は、南西側と北西側に20枚、南東側の16枚、北東側に15枚、
合計で71枚付けました。
・藁紐に紙垂を付ける時は、一人が椅子に上って藁紐を緩め、
一人が下から【紙垂B】の角を三角に折って差し込めば、作業は早く終わります。
⑥ 祭壇の中央上部の四角い木材棒に、【御幣】を「紅白の水引」で縛り付けます。
⑦ 祭壇の南側の紙垂を左右に分け、「紅白の水引」で竹に縛って留めます。
⑧ 本尊の額を中央の柱に掛けます。
⑨ 祭壇の前に、机を置き、祭祀用品の中に入っている写真の通りに
蝋燭、賽銭箱などを並べます。
⑩ 太鼓と鐘を並べます。
これで、準備完了です。
★★★ 祭祀本番 ★★★
午後6時に公会堂に集合し、線香と蝋燭を備え、9時まで3時間の間、
「南無阿弥陀仏」を唱えながら順番に太鼓と鐘を叩き続けます。
【百万遍の由来】
このような祭祀方法は、変性意識になって神に出会うために行うものです。
昔から日本人は、念仏を百万遍唱えるとか、真言を繰り返し繰り返し何度も唱えるとか、団扇太鼓を叩きながら山頂を目指すとか、ひたすら呼吸に意識を集中するとか、炎や梵字を見つめながら瞑想するとか、只管打座に打ち込む等の方法で、変性意識に入り、その意識状態で神に接することを目指していたのです。



今年の当番の3班員以外で、公会堂に参拝に来てくれたのは、10人ほどだったでしょうか。
9時の最後まで参加してくれた皆さんで、ささやかな直会(なおらい)をして、10時頃家に帰りました。
☆☆☆ 「納の祭祀」と「片づけ」 ☆☆☆
「納の祭祀」
朝8時に公会堂に集まり、3班の皆さんで順番に太鼓と鐘を、1時間叩き続けました。
「片付け」
9時になったので、片づけを始めました。
各班の人数分の 【お札】 と 【紙垂B】 を、それぞれの班長さん宅に届けました。
祭壇に使った 【竹】 と細長い 【紙垂A】 は、金剛地の四隅に立てました。
昨夜の段階で、賽銭箱に入っていた額は7000円(?)程度だったようです。
この日の朝、3班の皆さんが入れてくれた500円玉が何枚かあったようです。
土橋博文さんに準備指導料として8500円支払いました。
10時頃、全てが終わったので、解散しました。
【準備指導料に対する疑問】
最後に、土橋博文さんに支払った準備指導量8500円について、思うことを書いておきます。
この対価は、区で支払うことを決めているということのようですが、個人的には、この対価は不要だと思います。
霊的能力を持ったお坊さんが百万遍に来てくれて、その祭祀に対する御礼として支払うのなら分かりますが、特別な能力を持っているのでもない普通の人に対して、対価を払う意味が分かりません。
そもそも、区長さんの1年間の様々な労力に対する対価は1万円だったと記憶していますから、たかが3時間ほど手順を語るだけの対価が8500円というのは、過剰というより出鱈目です。
来年からは、このブログに書いておいた作業手順を、紙に印刷して、百万遍の備品の中に入れておけば、それで祭祀準備指導者などは、全く不要でしょう。
参拝した皆さんが入れてくれたお賽銭は、金剛地全体のための区費として大切に使うべきです。無駄な偏った出費はすべきではありません。
私のこの見解は、3月末の区の総会で、ハッキリ伝えます。
百万遍の報告は、以上です。