2017年度から、耕作放棄地の固定資産税が1.8倍になるそうです。
そこで、耕作放棄地に限りませんが、農業振興法対象地域の農地活用法として、
営農型ソーラーパネル設置という方法があるので、この事例を掲載します。 (2017/03/24:記述)

これまでに業者さんから聞いた、主なポイントを、 ①~⑥ にまとめて記述しておきます。

① この地域ではソーラー発電が有効
  山梨県北巨摩地区は、日本で最も日照率が高い地域であり、
  日本平均の1.1倍の発電量を見込むことができるので、
  ソーラー発電は有効な発電法といえます。

② 頭金なしで設置可能
  ・頭金が全くなくても、設置完了直後から売電収入が得られます。
  ・毎月、売電収入の一部をローン返済に充ててゆきます。
  ・月々の収入がいくらになるかは、
    a 施設設置金額(借入元本:設置場所の面積/状況 及び b に拠る)
    b ソーラーパネル設置面積(参照)
    c 返済方法(元利均等か元金均等か) etc.
   によりますので、詳細設計をしてみないと具体的な金額は算出できません。
   ただ、平均的にいうなら、農機具の償却費を含んだ米作収入よりはマシになるそうです。
  ・ローンの返済期間は、最長で15年です。

③ 電力買取価格は、20年間固定価格が保障される。
  ・電力買取価格が保障されているからこそ、銀行が融資を受付けるわけです。
  ・なお、使用するソーラーパネルも、メーカーが耐用年数25年と保証しているものを
   使用するそうです。
  ・2017年4月以降の買取価格は21円で、ソーラー発電が普及し始めた頃から比べると、
   半額程に下がってしまっていますが、その間に、ソーラーパネルの性能はかなり上がって
   いるので、それほど不利になってはいないということです。
  ・パネル発電量の経年低下率は、メーカーによって以下のように保証されているそうです。
   「初年度は3%以下、2年目から24年目まで0.7%以下」ということです。

④ 農業とソーラー発電の二刀流
  ・ソーラーパネルは、地上2.0~2.5mの高さに設置するので、
   地上でトラクターを使って農作物を作ることがでます。
     架台の支柱間隔は、およそ3mですから、 トラクター作業に支障はないでしょう。
  ・パネル設置量は、多ければ多いほど売電収入は多くなりますが、
   地上で作る農作物を考えて、パネル設置量(被覆率)を決める必要があります。
   豊富な太陽光が絶対に必要なサトウキビやトウモロコシ以外の作物なら、
   全て作ることができるようです。
   下記を参考にしてください。
   [区分]      [被覆率]      [作物]
   陽性作物  30%未満  トマト、なす、とうがらし、ピーマン、オクラ、すいか、
                    メロン、きゅうり、かぼちゃ、大豆
   半陰性作物 50%未満  いちご、ほうれん草、こまつな、かぶ、レタス、春菊、
                    ぱせり、ジャガイモ、さといも
   陰性作物  50%以上  みつば、セリ、クレソン、しそ、みょうが、ふき、
                    ニラ
   その他の事例としては、
    最も手間のかからない作物として、「柿の苗木」を植えておくという方法があるそうです。
    静岡県には、ソーラーパネルの下で「稲作」をしている例があるそうです。
    被覆率を高くして、「シイタケ栽培」や「ウド栽培」をすることも可能だそうです。

⑤ 設備のメンテナンス
  ・今年から設置ソーラーパネルの定期点検が、国によって義務づけられたそうです。
   故に、点検費用を専門業者さんに払うことになりますが、現在は、IT化の進行により、
   携帯電話にソフトをダウンロードするだけで遠隔管理できるようになっていますから、
   自分でも管理できますし、設置管理業者さんに安心してお任せして大丈夫のようです。
  ・万が一、施設の故障によって、見込まれていた売電収入の減損が生じていた場合、
   この分を補償する保険もあるそうです。
  ・パネルの洗浄は、オプションで業者委託することができますが、「エンジン付き高圧洗浄
   機」と「貯水タンク」を自分で別途購入しておけば、自分ですることも可能でしょう

⑥ ソーラーパネルの廃棄費用
  ・現在、ソーラーパネル廃止処理専用工場を、鳥取県に建設中だそうです。
   ゆえに、「20年後には、1枚当たり千円程度も払えば十分だろう」ということです。
  ・この額で概算してみたところ、ローン返済が既に終わっている20年目の1年間売電
   収入分で、ほぼまかなえるようです。
  ・架台は、そのまま残して天空カボチャ栽培に使う等の方法もあるでしょう。自分で解体
   することもできますので、その他にも2次利用方法はいくつもあるでしょう。サイズの
   揃った部材なので、売却も可能かもしれません。
  ・基礎部分に関しては、スクリュー式の杭基礎、ベタ基礎など、いくつかの工法があると
   思いますが、いずれの場合であれ、撤去にいくらかかるか、事前に確認しておく必要
   があります。
  ・営農型ソーラーパネル設置の場合は、20年後に農地として復元することを前提
   にしますので、その場合の復元に係る費用などを明記した資料を、施工業者が
   監督官庁に提出するそうです。(認可が通ったなら、その資料を掲載します)


    韮崎市出身の深澤さんが会長をしているチームトラストという業者さんですから、
    「詳細な説明を、直截聞いてみたい」 という方が複数いるなら、
    「いつでも、説明に来てくれる」ことになっています。

    (有)チームトラストのHPに、施工例や説明があるので、下記のURLから辿ってください。
    ⇒ http://teamtrusut.jp/

   下記リンクは、チームトラストさんから送っていただいた施工例の写真です。


以上