夜中の間中、

タロさんはいつも通り、

離れていることに気付くと、

私を抱き寄せた。

 

 

そして目を覚ます。

 

 

8時過ぎ。

 

 

朝食は9時半に頼んである。

 

 

なのに…

 

 

乗ってきた…滝汗

 

 

このままでは、

朝食が来る頃は、

まだ最中ですがな。ニヤニヤ

 

 

 

 

そう思っていたら案の定、

タロさんの指が

中でさかんに往復してる時(笑)、

扉を叩く音。

 

 

いつものことです。ニヒヒ

 

 

なのでいつも通りにタロさんは

バスローブを着て扉を開ける。

 

 

私はベッドの中でくるまっている。

 

 

こういう時って、

ホテルの人ってわかるんだろうか?

 

 

いや、わかるだろうな…

 

 

でもとにかく先に朝食!

 

 

その間にも、

タロさんはまたあちこに

メッセージを送ったりなんだり…

 

 

私はもう色々言わないことにしたよ。

 

 

言っても仕方ないし、

言う気も失せたのか、

なんとも思わなくなった。

 

 

どうでもいいって言うか、

まあメリハリってことで、

いいかな。

 

 

うん、私を放置する時と、

私に集中する時ってことで。

 

 

 

 

朝食の後、

さっきの続き。デレデレ

 

 

今回は私というよりも、

タロさんの方が

私を触りたくて触りたくて。

 

 

疲れてるはずなのに、

なんで今回はこんなに、

ヤル気満々なんだ?真顔

 

 

 

 

そしてひとしきり花火を上げ、

(でも窓を開けっぱなしだったので、

声を抑えるのが大変でしたw)

軽くシャワーを浴びて、

身支度をしてチェックアウト。

 

 

18時からのオンライン会議に

間に合うように、

最低でも17時前には別宅に

着いていたいタロさん。

 

 

もう少し、準備があるという。

 

 

そしてその前には、

心を落ち着けなきゃいけない。

 

 

なので、

チェックアウトの後、

少し街中を散歩し、

ランチを軽めにしてから

タロさん別宅へ。

 

 

 

 

だが…

 

 

ここからが大変だった…。

 

 

別宅に着いた後、

タロさんが聞く。

 

 

 

 

最後の準備、

キミの傍でした方がいい?

 

それとも書斎でする?

 

私の傍で

 

うん、いいよ

 

じゃ、飲み物持ってくるね

 

 

 

 

と、タロさんは階下に降りて行った直後…

 

 

 

 

ぶうぅぅん…

 

 

 

 

え?真顔

 

 

あ!滝汗

 

 

停電!!ゲッソリ

 

 

おお、これはマズイぞ、

オンラインだぞ、

停電はマズイ…

 

 

飲み物を片手に戻ってきたタロさん、

気付いてない様子。

 

 

 

 

ちょ、停電だよ

 

え!?ガーン

 

 

 

 

電気のスイッチをカチカチ。

 

 

当然点かない。

 

 

 

 

ああ、マズイ、マズイ…

 

どうしよう、ヤバイ…ガーン

 

 

 

 

顔が引きつってる…

 

 

 

 

落ち着け、落ち着け…

 

どうすりゃいいんだ?

 

落ち着け…

 

 

 

 

私が背中を撫でる。

 

 

 

 

ゴメン、どうにかしないと…

 

あと1時間15分か…

 

どうしよう、どっかに行くか?

 

レストラン?

 

 

 

 

いや、レストランで会議はムリじゃろ。

 

 

 

 

とにかくどうにかしないと

 

ゴメンね、

キミを放置するけど…

 

いいよ

 

 

 

 

そのままタロさんは部屋を出て行った。

 

 

 

窓から敷地の門を見ていると、

誰かが来た。

 

 

誰だ?

 

 

あ、鍵持ってる。

 

 

管理してもらってる近所の人か?

 

 

タロさん、気付いてるのか?

 

 

その人が、

中に入ってくる。

 

 

きっと、停電になったことで、

なんらかの通知が行くんだろう。

 

 

ここには一応、

セキュリティーアラームも付いていて、

停電時には一応電池で動くが、

おそらく切り替えになった時に、

知らせが行くのかもしれない。

 

 

泥棒さんは、

アラームを切るために、

停電にすることもあるのでね。

 

 

だが、またタロさんが部屋に

戻ってきた。

 

 

 

 

なんとかネットには、

携帯ローミングで繋げられる

 

バッテリーが持つかどうかだけど、

PCもほぼMAX充電だし、

なんとかなるかも

 

とにかく夜はどうしようか

 

ローソクの中で

ロマンチックに夕飯にする?

 

あははは!

 

じゃなきゃ、

どっかのホテルでもいいけど

 

どっちでもいけど、

さっき誰か来たよ?

 

会った?

 

ホント?

 

誰だ?

 

鍵持ってたよ、

メガネかけて少し小太り

 

あ、Davidだな、多分

 

ちょっと行ってくる

 

で、このまま僕は書斎に行くよ

 

あと40分だから、

準備もしなきゃだし、

気持ちも落ち着かせないと

 

また放置になっちゃうけど…

 

いいよ

 

 

 

 

仕方ないやん。

 

 

でもとにかく、

そのDavidさんとやらに、

なんとかしてもらえないの?

 

 

 

 

普通の停電なら、

すぐに復旧するんだが、

なかなか復旧しないとこを見ると、

おそらく外で仕事してる作業員が、

必要で電気を切ったんだろうと言う。

 

 

ずーっと去年から頼んでた仕事。

 

 

ようやく来たのが、

よりによって今日ということらしい。

 

 

なるほど。

 

 

でも、なんか私は

あまり心配してなくて、

絶対になんとかなるだろうなと

思ってた。

 

 

そして10分後…

 

 

 

 

カチカチン…雷

 

 

 

 

おお、

 

 

 

 

電気復旧キラキラ

 

 

 

 

というわけで、

会議30分前に、

無事に復旧。

 

 

良かった良かった。

 

 

 

 

ということで、

会議を終えて、

19時半ごろに

部屋に戻ってきたタロさん、

疲労感満載(笑)。

 

 

 

 

ヘトヘトだよ…

 

会議もそうだけど、

(タロさんが今回は発表者なので、

そのために余計ストレスだった)

とにかく直前の停電で

あちこち動かなきゃだし、

そのストレスで準備も

思ってたようにできなかったし、

発表もうまくいったのか…

 

大丈夫だよ

 

モナムール…

 

キミの愛する人は、

今日はもうヘトヘト…

 

 

 

 

ああ、つまり、

今夜はナシと言いたいのか?(笑)

 

 

 

 

少し私を腕に抱いて

エネルギーチャージ(?)をして、

そしてようやく重い腰を上げる。

 

 

 

 

さて、キミに何か食べさせて

あげないと

 

 

 

 

2人でキッチンに行き、

食べられそうなものを探す。

 

 

軽めに食べられるものを用意し、

テーブルを2人で挟む。

 

 

 

 

さて、お疲れのところ申し訳ないが、

話さなければならないことが

まだ山のようにあるのだよ。

 

 

 

 

というわけで、

今回どうしても話したかったこと、

それをまず話し始めた。

 

 

だが、すぐに、

娘からの電話で中断。

 

 

その様子を見ながら、

先にタロさんのことを

話すことにした。

 

 

 

 

電話の後、

その話をする。

 

 

どうしてタロさんが、

そんなに色々抱えるハメになるのか。

 

 

私が見ていると、

必要のないことまで抱えてしまう。

 

 

(前略)

 

彼の父親に、

明日電話して話さないと…

 

あのさ、

なんでアナタが動くの?

 

え?

 

昨日からずっとその問題で

アナタ、右往左往してるね?

 

だって…

 

私から言わせたら、

アナタには関係ないこと

 

なのにアナタは

自分が動けばなんとかなると

思ってる?

 

他人はね、

みんなアナタと同じように

考えたり動いたりする

人ばっかじゃない

 

彼の父親は、

なんて言ってる?

 

息子の味方だよ

 

当たり前じゃん

 

で、アナタは何をしようとしてる?

 

説得?

 

父親に彼を説得してもらおうと…

 

でもさ、息子の味方なんでしょ?
 

アナタは自分が話せば

相手が理解してくれると

思ってるのかもしれないけど、

まさか相手が自分と同じ、
争いがキライで、
それを避けようと努力する
タイプの人間だと思ってる?
 
アナタと同じ思考回路だと
思ってる?

 

でも、

今までの経過を見たらわかるでしょ?

 

そうじゃない人もいるんだよ

 

それをアナタは知らないといけない

 

そんなこと、

考えて見たこともなかった…

 

でしょうね

 

だからアナタは、

私の思考がアナタと違うと

いうことを受け入れない

 

同じこと

 

他人はみんな、

アナタとは違う考え方

 

10人いたら、10人違うんだ
 
アナタはそれを知るべきだよ

 

キミの言うとおりだ…

 

 

 

 

そんな感じの話。

 

 

簡単には語れないのだけど、

とにかくこの人は、

自分で背負い込むクセがある。

 

 

なんとしなきゃと、

する必要のないことまで

自分で手をだしてしまう。

 

 

 

 

あのね、

それはアナタがすることじゃない

 

アナタは関係ないんだよ

 

キミの言うとおりだ…

 

じゃあなんで手を出す?

 

なんとかしないと、

彼のためを思って…

 

いや、違うよ

 

彼のためって言うけど、

違うでしょ?

 

間違った方向に行こうとしてる

 

だけど、それは彼が決めること

 

それがアナタの娘ってなら

まだわからなくもない

 

でも彼は、

赤の他人なんだよ

 

70%の時間を他人に使ってるって

言ったね?

 

うん

 

オカシイと思わない?

 

もうウンザリ

 

でもそれをすることを

選択してるのは、

アナタ自身なんだよ

 

アナタ自身が、

それをやりたくてやってる

 

……

 

本当はやりたくないと言いながら

 

……

 

やりたくないなら、

やらなきゃいい

 

なんでやるの?

 

だって彼は…

 

他人じゃん

 

彼がどうなろうと、

アナタの人生に、

何の関係があるの?

 

…そうだね

 

赤の他人だよ

 

彼がどうなろうが、

知ったこっちゃないでしょ

 

…そうだね

 

色々してあげたよね、あの人に

 

うん…

 

そう、色々した

 

色々助けた

 

で、彼はアナタに何をした?

 

……

 

なんでそんな人に

手を差し伸べるの?

 

放っときなさい

 

自滅していくだけなんだから

 

キミの言うとおりだ…

 

今までどんなに手助けしても、

1ミリも感謝してない人だよ?

 

……そうだ…

 

首を突っ込むのはやめなさい

 

彼は自滅する

 

放っておけばいい

 

でも僕はそれを望んでいない

 

まだわからないの?

 

アナタが望もうが望むまいが、そんなことはどうでもいいの

 

彼の人生なんだよ

 

彼自身がその道を選んでるってこと、なんで気付かないの?

 

アナタの望みなんか関係ないんだよ

 

彼の人生、

彼が全て決めること

 

アナタがアナタの人生を自分で決めるようにね

 

他人にコントロールされたくない

 

アナタは私にそう言ったね

 

私がコントロールしようと

してると言ったね

 

うん

 

アナタは今ね、

彼をコントロールしようとしてる

 

そんなことない

 

自分が説得すれば、

彼が変わると思ってる

 

彼をつぶしたくない

 

「他人を変えることはできない」

 

私にそう言ったのはアナタ

 

わかる?

 

アナタはそれをしようとしてる

 

でもそんなことね、

彼は望んでなんかいない

 

私がアナタに望むことを

アナタが望んでいないのと

同じようにね

 

そうか…

 

そうだな…

 

変わって欲しいと望んでるのは

アナタね

 

でもね、

彼が今してることはね、

全部彼が自ら選択してること

 

全部、彼が望んでしてること

 

アナタがどう思うと、

関係ないんだ

 

そうだね…

 

そうだった…

 

そういうことだよ、

全てにおいて、

アナタはそうなの

 

だから色々抱えすぎる

 

それはアナタのイイとこでもあるよ、

人のために親身になるってね

 

でも同時に、

悪いとこでもあるんだよ

 

とにかく首を突っ込むな

 

アナタは色んなことを

混同しすぎる

 

切り離して考えるべきことを

全部まぜこぜにする

 

だから自分が動かなきゃって

思ってしまう

 

でもアナタには関係ないことなんだ

 

全ては彼が望んでしてること

 

アナタには関係ない

 

うん…

 

放っておけ

 

うん…

 

彼の父親には、

もう電話しない…

 

その方がいい

 

僕はもう動きたくない

 

なら動くな

 

ウンザリなんだ…

 

 

 

 

そんな話をした。

 

 

わかったのかわかってないのか、

少なくとタロさんは、

その日はそれ以上、

その難しい問題に

介入することはやめた。

 

 

 

 

そして私の話。

 

 

これはまた別の機会に記す。

 

 

とにかくこの夜は、

色々話した。

 

 

そしてベッドに入ってのは、

またもや23時頃だったか。

 

 

ウトウトしながらタロさんが、

その手で私の手を導く。

 

 

ウトウトしながら、

タロさんのタロさんは元気…

 

 

 

 

疲れてるんじゃないの?

 

うん、半分寝てる…

 

でもぉ…

 

……

 

……

 

でも、なに?

 

ああ、オチてた…

 

でも、30分後には

僕はキミの中…

 

は?

 

スルの?

 

うん…キミがシたいなら…

 

いやいや、

私よりもアナタでしょ

 

アナタがしたいなら

私は望むとこですが…

 

ダイジョブなの?

 

うん…

 

スルッ!プンプン

 

 

 

 

自分がシたいんやんね。

 

 

でもここまでウトウトしながら、

シたがるのも珍しい。

 

 

なので、お言葉に甘えて(?)

していただくことにした。

 

 

 

 

それは思ったより長時間続き、

最後にタロさんは満足気に、

私の中で果てた。

 

 

そしてようやく眠りに就く。
 
 
 
 
離れないで
 
 
 
 
そう言ってタロさんは、
私に背中を向け、
首の下に潜り込ませた
私の腕を抱きながら眠る。
 
 
後ろから私は
タロさんの頭にキスをした。