待ち合わせは駅。

 

 

時間通りに出発した電車は、

時間より少し早く、

その駅に着いた。

 

 

 

 

今着いた

 

僕も

 

 

 

 

で、どこにいるん?

 

 

 

 

駅の周りを周ってる

 

 

 

 

やめてー。

 

 

それダメなヤツ。

 

 

 

 

西方面に歩いて

 

 

 

 

西?

 

 

西ってどこ?

 

 

駅の反対側やん。

 

 

いつもこっち側なのに、

どゆこと?

 

 

 

 

電話がかかってきた。

 

 

 

 

そっちじゃないよ、

キミを見つけたよ

 

は?

 

どこにいる?

 

僕からはキミが見える

 

あ、見つけた

 

 

 

 

近寄る。

 

 

 

 

西じゃないじゃん!

 

西だよ!

 

西はあっち!

 

こっちだよ!

 

そっちは東!

 

あ…びっくり

 

そうだ、キミが正解…

 

もーーー

 

 

 

 

という感じで再会。

 

 

なんやの、

方向音痴じゃないのに、

真逆やんけ。

 

 

 

 

そんな感じで車に乗り込み、

目的へ向かう。

 

 

車で約1時間の場所。

 

 

丁度着いた頃にランチタイム。

 

 

 

 

車中では手をニギニギ。

 

 

宿は予約してあると言う。

 

 

ランチのレストランも。

 

 

まあタロさんのいつもの

パターンで、

宿とレストランが一緒のとこ。

 

 

 

 

予定通りの時間に着いた町は、

川沿いの小さな可愛らしい町。

 

 

白い石造りの家が建ち並び、

レストランからも、

ホテルからも、

その景色が見える。

 

 

まずはレストランで食事をし、

その後チェックイン。

 

 

部屋に上がって、

タロさんは私の腕の中でお昼寝。

 

 

私は動画鑑賞(笑)。

 

 

まったりゆっくりの時間。

 

 

タロさんはこの後、

明日の仕事のための準備。

 

 

だからそれまで少し、

休ませてやるわい。

 

 

起きた後は色々電話をして、

仕事の準備をして、

私はその間ずーっと

ベッドでひたすら動画鑑賞(笑)。

 

 

なんだ、このカップル…

 

 

でもそれでいい。

 

 

食事とベッド以外は、

私は放置ですよ、放置。

 

 

トータルで3時間放置。

 

 

でもなんとも思わない。

 

 

一緒にいられるだけで、

それでいいのだと思ってる。

 

 

だから私も放置してたら、

時間がもう20時30分!

 

 

 

 

夕飯行かなきゃ!

 

ゴメン、ゴメン!

 

愛する人に、

食べさせてあげないと!

 

 

 

 

というわけで、

ランチと同じ店で夕飯。

 

 

部屋に戻ってシャワー浴びて、

ベッドに入ったら23時。

 

 

でも話さなきゃいけないことがある。

 

 

ずっと聞きたかったことを聞いた。

 

 

その質問がなんだったかは、

ここでは控えるが、

でもタロさんは私が

その質問を笑いながらしたからこそ、

ちゃんと答えてくれた。

 

 

バカ正直に。

 

 

私が不安に思ってたこと、

それは表面上には

取り越し苦労で、

(そんなことはわかっていても

どうしても確認しておきたかった)

だけどそれでも私は

この人がどんな人間なのか、
わかってはいたけど、
それを確認してしまった。
 

 

この人のバカ正直さのおかげで。

 

 

この人との関係を

自分の中で少しずつ

変えていかなければならない

かもしれない。

 

 

私が望むことと、

この人が望むこと、

そこには食い違いがある。

 

 

目標としては同じだとしても、

その過程とか、

そこにたどり着くための

考え方とかが違う。

 

 

この人は…

 

 

私をシアワセにしたいと

口では言うけど、

シアワセにしたいだけで、

シアワセにすると

言ったわけではない。

 

 

本人は考えているつもり。

 

 

だたそれだけ。

 

 

でもどうでもいいことの

ようにも思える。

 

 

そして…

 

 

この人が私をシアワセに

できるわけない。

 

 

自分だけが自分をシアワセに

できるのだから。

 

 

だから私は、

私自身がシアワセでいるために

考えることをやめるだけだ。

 

 

ただそれだけ。

 

 

この人の裏の顔を

私からは見えない顔を

見ないようにするだけだ。

 

 

この人の嫁と同じように。

 

 

 

 

そう言い聞かせ、

そしてようやくイチャコラタイム。

 

 

終わったのは1時を過ぎていた…。

 

 

 

 

ここには1泊しかしないと言う。

 

 

やっぱり明日の仕事は、

自分の別宅の書斎でしたいと言う。

 

 

オンラインでの大会議ですわ。

 

 

そうっすか。

 

 

へいへい、わかりやした。

 

 

ということで、

一緒にいることには変わりないと

いうことで、

モヤッとすることもなく就寝。

 

 

 

 

1日目、

穏やかに過ぎた。

 

 

以前なら文句を言いたくなる

ようなことも、

なんなくクリア。

 

 

もうね、慣れたのかな。

 

 

どうせ仕事から離れられない。

 

 

家族からも離れられない。

 

 

抱えてるものが多すぎる。

 

 

でもタロさんは、

今はそれにウンザリしている。

 

 

うーん。

 

 

明日も話さなきゃならない。

 

 

その時に、

タロさんの話もしないと。

 

 

この人は気付いていないから。

 

 

自分がどうしてそんなに

色々抱えてるのかを。