912号

僕はビジネスモデルを描く上で、
基本的に3つの決断ポイントがあります。

①オリジナリティ
(独創的な強みはあるか?)

②トレンド
(時代にあっているか?)

そして3つ目が、今回、スポットをあてて書きたい、
僕が一番イメージするビジネスモデル。

それは
③世の中の流れから逆張りのモデルであるかどうか。

これを説明しだすと、きりがないくらい
取り組んできた事や考えてきたことがある。

例えば実例であげると、
当社 がプロバイダーとして提供している
ブロードバンドサービスのNexyz.BB は、
SOFTBANKのYahoo!BBの通信回線(ADSL)を活用し、
低価格のサービスを実現している。

しかし先行投資が50億円以上必要だったので、
この3年間は戦略的と言えど大変だった。

何より、株式市場など周りからの評価は低かった。

その懸念された理由は大きくわけて2つありました。

①当時のネクシィーズ の得意分野は、
オリジナルサービスより代理店として
身軽で利益が読みやすかった。
にも関わらず何故今さら自社サービスを始めるのか?

②時代が、光ファイバーに目を向けているのときに、
何故、ADSLを採用し、今さら多額の先行投資をするのか?

…たしかに普通にとらえると、変に思わてもおかしくない。

だが、これこそが単純な逆張り戦略だったのである。

結論だけ述べると、そのサービスを受ける側の
お客様の本質的な需要は、安くて速度に

ストレスを感じないサービスである。

そもそも、速くて高額な最新テクノロジーありきではないのだ。

我々は、今のインターネット上のコンテンツや、
そのサービスレベルを考えると、
ADSLの50メガであれば十分満足して、
インターネット・ライフを低額で楽しんで貰えると確信していた。

現に当社のサービスをご利用されている
お客様は早くも15万人を突破した。

また、そのお客様から毎月頂く基本料金(ストック型の収入)が
安定してたまってくることにより、ビジネス面でも、
ブレークイーブンを迎え、回収期に差し掛かっている。

では、自社のことだけではなく違うケースも検証してみよう。

某大手のレンタルビデオ店を運営するある会社は、

随分以前に、アメリカの衛星放送サービスに着目。
多額の資金を投入し、衛星放送会社をスタートさせた。

自らの成功モデルに、その対抗策を投じてしまったのだ。

結果は既存のアナログ的(シンプル)なモデルが勝ち、
多額の資金が無駄金になってしまった。

今だに、この旧タイプのリアル店舗での
レンタルビデオ屋さんは成り立っている。

勿論、インターネット上のビデオ・オン・デマンドサービスが
いずれは本格的にやってくるだろうし、
近い将来、CDの販売やレンタルなどを行うレコード屋さんは、
いち早く消えていくことでしょう。


でも、大切なのは
何が求められているかを提供するのがビジネスであるということ。
いつも、どんな時代も、消費者ニーズというものは
時代の10歩先ではなく一歩先に存在する。

今回、僕がテーマにした逆張りとは、
何にでも当てはまることだが、新しいものにつられ、
翻弄されてはいけないということなのです。
古いからいいんじゃない。新しいからいいんじゃない。
ビジネスのストライクゾーンは、本当に狭きものだと思います。
こうして商売は、単純のようで難しい。
複雑なようで簡単なのです。ヤリガイあるよね!(笑)



<お知らせ>
株式会社ネクシィーズ代表取締役社長 近藤太香巳オフィシャルブログ

本日発売のGOETHE9月号に、

ビジネスマンが頼りにする、

「クスリ大検証!」というテーマで、

僕が取材された記事が載ってます。

よろしかったら読んでみてくださいね。