760号

派遣切りというのが、大きな社会問題になっている。
また、それに関連して、ワークシェアリングも見直されてきている。

今日は、このテーマを僕なりに厳しい角度から検証してみたい。
ただし、難しい問題ゆえ一概には言えない事だけは
始めに付け加えておきますね。

これは記憶にまだ新しい、つい最近のこと。
若者を中心に、フリーターや派遣が流行った。

それは正社員として、
雇い入れてくれる会社がなかったからだろうか?

いや!全てをそうだとは言えない。

正社員になるより責任がなくて楽。
職種によっては、時給で換算すると
プロパーの社員より割高の収入が得られる。
色々な仕事が経験できて、何より自由でいれる。


事実、このような声も一部あったのだから。

そもそも、行動に移す前に、仕事を選びすぎで、
頑張る気持ちが足りないと思っていた。
好きなものを漠然と探すより、少しでも興味の示したものを、
一生懸命やってるうちに好きになる事のほうが多いからね。

企業側の雇用関係の改善をテレビでは騒ぐが、
では、なんのメリットがあり企業は派遣を採用していたのだ?
と問いたい。

それは、必要に応じて人員数をコントロールでき、
正社員と比べて継続雇用の責任が伴わないからである。
まさに雇う側と雇われる側の
利害が一致したシステムのはずだった。

ちなみに、あえて言っておくが、僕はこの問題で
何らかのダメージを受けた当事者の立場にない。
当社は、全体の90%以上が正社員の体制で、
団結力を基に、言わば皆の力で会社を創りあげてゆく
終身雇用を創業時から目指してきているからだ。

ただ、昔から派遣制度には疑問があった。
その理由は単純である。
責任の伴わない環境や本気で一極集中する
情熱がなければ、能力はつかないからだ。

その結果、未来を担う若者が育ちにくくなる。

そして最大の問題は、今を楽している分、将来突然職を失い、
慌てふためくことが、かなりの確率で明らかだったからだ。

世界経済のあおりにより、それが今、来ただけの話だと思う。

また、新たな仕組みとして、最近はワークシェアリングというのが、
再度見直されているが、僕はこんなモノは根付かないと思う。
たしかに、日本人には分かち合いの素晴らしい文化はあるが、
これまで1人でこなしていた仕事を2~3名に分散する事で、
これまた能力や責任は低下する。
ヤリガイや給料より、時間の自由に満足してしまうと、
成長意欲も養われない。

さて、この問題を検証するにあたり、そろそろ結論を述べよう。

実は、僕はこれから
日本の若者は強くなる!と思っているんだ。

ドキュメント番組で、派遣で、職を失った人の結末が
あれだけ取り出されていると、人生は今の事だけを考えて
楽な選択をしてはいけないことを学習したからだ。

日本人は日本人のありかたを今一度追及するべきだ。
アメリカの個人主義は合わない。
彼等は、自由の厳しさを知った上で成り立っている。
会社が倒産した際、そんなに騒ぐ事もなく
自分の荷物をまとめて会社を去る姿を
ニュースで観て、そう感じた。

少なくとも、日本人程、過剰に騒がない。

日本人はチーム力が武器の国民だ。
戦争に負けたとき、この団結力で経済大国にのしあがった。
何より、僕達の先輩方々は、逆境を乗り越え、必死で働いた。

何かにぶら下がって生きようとするのではなく、
今こそ、我々はハングリー精神を持ち、
経済を発展させた頃の原点に戻るべきだと思う!

まさに働かざる者、食うべからずだ!