513号

今日は、週末に友人から聞いた、
とっても面白い話し(エスニック・ジョーク)を紹介しますね。

あるメキシコ人の漁師が、小さな網に魚をとってきた。
その魚はなんとも活きがいい。
それを見たアメリカ人旅行者は「すばらしい魚だね!
どれくらいの時間、漁をしていたの?」と尋ねた。
すると漁師は「そんなに長い時間じゃないよ。」と答えた。
アメリカ人が「もっと漁をしていたら、
もっと魚が獲れたんだろうね。おしいなぁ。」と言うと、漁師は
「自分と自分の家族が食べるにはこれで十分だ」と言った。
「それじゃあ、あまった時間でいったい何をするの?」と
アメリカ人が聞くと、漁師は笑顔でこう言った
「日が高くなるまでゆっくり寝て、それから漁に出る。
戻ってきたら子どもと遊んで、女房とシエスタして。
夜になったら友達と一杯やって、ギターを弾いて歌をうたって…
ああ、これでもう一日終わりだね。」
すると、そのアメリカ人はまじめな顔で漁師に向かって言った。
「ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した人間として、
君にアドバイスしよう。いいかい、きみは毎日、
もっと長い時間、漁をするべきだ。それであまった魚は売る。
お金が貯まったら大きな漁船を買う。
そうすると漁獲高は上がり、儲けも増える。
その儲けで漁船を2隻・3隻と増やしていくんだ。
やがて大漁船団ができるまでね。
そうしたら仲介人に魚を売るのはやめだ。
自前の水産品加工工場を建てて、そこに魚を入れる。
その頃には君はこのちっぽけな村を出てメキシコシティに引っ越し、
ロサンゼルス、ニューヨークへと進出していくだろう。
君はマンハッタンのオフィスビルから企業の指揮をとるんだ。」
漁師は尋ねた。「そうなるまでにどれくらいかかるのかね?」
アメリカ人「そうだなぁ~20年、いやおそらく25年でそこまでいくね。」
漁師「それからどうなるの?」
アメリカ人「んっ!それから?
そのときは本当にすごいことになるよ!」
とにんまりと笑い続けて話した。
「今度は株を売却して、君は億万長者になるのさ!」
漁師「それで?」
アメリカ人「そうしたら引退して、海岸近くの小さな村に住んで、
日が高くなるまでゆっくり寝て日中は釣りをしたり、子どもと遊んだり、
奥さんとシエスタして過ごして、夜になったら友達と一杯やって、
ギターを弾いて、歌をうたって過ごすんだ。
どうだい!すばらしいだろう!」

・・・・この話しは、とても哲学的と言っていい程、
本質をついている。
人間は所詮、財力で得る幸せなんて、たかがしれているという事。
そのとおりだ!しかし、だからと言って目標を持たずに
のんびり生きた方がいいってわけでもない。
物語の中では語られていないが、事業を大きくしてゆけば、
その過程で、例えば大漁船団には
素晴らしき仲間達が集まってきたはず。
そこには本物の信頼が芽生え、
皆の力を合わせて築いてゆく楽しさもある。
供に夢を分かち合い、豊になる喜びやヤリガイ
(嬉しいコトや悲しいコト、そして感動)があっただろう。
意思を持ち、歩んでゆくサクセスストーリこそが、
日々のマンネリな生活では味わえない楽しさがある。
またそれが、いつの日か最高の思い出となり誇りとなってゆく。
その後の、のんびりとした時間は、
歳を重ねて頑張った人だけに送られるご褒美みたいなものだ。
だから若いトキは、大いなる夢や希望を抱き、
その可能性に挑戦しながら、
情熱いっぱいに生きていかなければと思う。
それにしてもこのエスニック・ジョークは、
あらためて何が尊いかを考えさせてくれた気がする。
結論として、この物語は最初と最後が同じように見えるけど、
そこに至るまでの人生のプロセス(深さ)が全然ちがうのだ。
それこそが目には見えない財産なのである。
最後に、今述べた考えを前提にした上で、
いつか引退した後は、僕もゆったりとした時間を
過ごしてみたいと感じた。
供に歩んだ最高の仲間達とね。(笑)

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