顧客満足度向上から個人満足度主導の時代へ | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

今や顧客満足度向上のために、企業が努力するのは当たり前になった。

ふり返ってみれば、右肩上がりで経済成長を続けた時代、いわゆる高度経済成長期は、人口ボーナス期を背景に、顧客は増えるし所得は増える一方だった。

いわば、顧客が欲しいものを作って売れば、幾らでも商売が伸びた時代があった。こういう時は、特に顧客に対して必要以上のサービスやアフターフローは必要なかった。簡単に言えば、売れば終わりの時代だった。

 

そして、やがてバブルは崩壊し、日本のマーケットも縮小が始まった。限られた顧客を奪い合う時代に入った訳である。こうなると、企業はこぞって、顧客の囲い込みを目的として、顧客満足度の向上に注力するようになった。今から約20年前のことだった。

 

ITのツールで言えば、CRMと言われるソフトウェアが当たり前に利用されるようになった。顧客つなぎとめておく努力が企業の最大の目標になった。

売上至上主義から顧客至上主義への転換とも言えるが、結果的には顧客をわがままにしてしまったと考える。そして、商売する側からは、必要のないものまで買わせることも当たり前になってしまった。

一見、売り手も満足、一顧客も満足の構図が出来上がった。

 

近江商人の教えとして、三方良しという考えがある。売り手、買い手、世間良しである。

今、この世間とは何かを考えてみると、それは社会的価値や健全な地球環境の保全などであろう。

今、経営の現場では、ようやく三方良しを志向する経営者は増えてきたと思う。これに社員も含めたステークホルダーも加えて、4方良し、5方良しという考えもあるようだ。

 

私は、世間の事を社会と考えているので、これからの経営者は、顧客満足度の向上ばかりに注力するのではなく、社会貢献などにもバランスよく力を入れるべきだと思う。

 

エシカル消費と言う考え方がある。

消費庁のホームページによると、

「倫理的消費(エシカル消費)」とは?

消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17のゴールのうち、特にゴール12に関連する取組です。

 

これから、ますます拡がるのは疑う余地がない。

今どきは、顧客である生活者の方が、企業よりも先進的な場合がちらほら見かける。

不健全なサプライチェーンに乗っかっている企業の商品は買わない、地球環境に負の影響を及ぼしている企業は敬遠する。こういう時代が目の前に来ている。

企業よりも先に顧客から変わっていきそうである。企業の視点から顧客である個人の視点に変わる流れは、色々なところで見受けられる。

 

IT社会の浸透と相まって、商売や流通の見える化が進む。健全な商売はどれかを判別することが出来やすい時代が近づいている。

これからは、企業が顧客である個人に商品やサービスを提供するのではなく、健全な生活や働き方をしたい個人が企業に求めていく時代になると確信している。

 

 

以上