脳を騙すテクノロジーは人類にとって諸刃の剣 | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

人間は実際に会わなくても会った気になる。

こんな話をすると、一昔前だったら夢か幻かという話になる。

しかし今は現実に、実際に会ってもないのに会ったかのように感じる時代になった。

 

例えば身近なところでいくと、

SNSもそれに近い。

 

長いこと会っていなくても、SNSで頻繁に知り合いの情報を見ていると、いつ会ったかの記憶が曖昧になる。そして久しぶりに直接会った時に、

“久しぶりの気がしないね”というお決まりの会話が増えてくる。

 

私も仕事柄、SNSは意図的にチェックする頻度が平均的な人より多いと思う。

結果、知り合いの活動の知らなくてもよいことを知ってしまうし、必要以上に気にすることが増えてしまう。SNSで洪水のように流れる情報に脳が混乱していると言える。

 

ところで、VRが急速に一般化されつつあるが、どれだけの方がご存じだろうか?

VRは英語ではvirtual reality、日本語では仮想現実。コンピューターテクノロジーの1つでもあり、新しいメディアとも考えられる。

 

具体的に簡単に説明する。

写真などで見かけたことがある人も多いと思うが、ゴーグルのような形状の専用デバイスを装着して仮想空間を体験する。コンピュータを活用して、仮想空間の中で現実ではできないような疑似体験ができるテクノロジーだ。

 

 

 

 

 

 

もう一つ似たような用語でAR、MRというのがある。

 現実世界の物にコンピュータがさらに情報を付加することを拡張現実 Augmented realityや複合現実 Mixed realityと呼ぶ。

 

コロナ危機前に水面下で密かにブームになりつつあったが、コロナ禍の中、ITやオンライン活用とセットで、今一気にVR活用がにわかに脚光を浴びてきた。

 

VRは仮想現実の言葉のニュアンスの通り、脳を騙すことであるも言える。

人間の脳はそもそも騙されやすい。というか騙されることで正常に機能している部分もある。人間は騙されながら正常に生きていくわけである。

 

では、意図的に過度に脳を騙すと人間はどうなるのだろうか?

VRの普及で、私が危惧していることのひとつだ。

 

人類はとうとう仮想現実という作為的、意図的にに脳を騙すことが出来るテクノロジーを開発してしまった訳である。

これは明らかに諸刃の剣だ。使い方を誤るとすれば、人類は、またとんでもない邪悪な道具を生み出したことになる。

 

光と陰の両面を持ちながら、この脳を騙すテクノロジーは私たちの知らないところでも、どんどん普及していくだろう。

 

 

 

 

 

 

 テクノロジーの進化が起こるたびに常に思うことだが、本当に人類の今と未来に有益に使われることを願いたい。AIも似たようなものであるが、このAIとVRが連動するだけでも悪く考えればそれは恐ろしいツールとなる。

 

良い方向に使われることを願うが、結局は使う人一人ずつの良識やリテラシーにかかっていると思う。

利用者が新しいツールのメリットとリスクを正しく学ぶことが第一歩だ。

それと現実の有益な用途を知り、活用シーンのイメージが出来ることも大切だ。一方的なサービス会社からの押し付けでは、またまた、新種のマーケティングの餌食にされるだけである。

 

いま、人が実際に会う方法としては、アナログで直接会うことに加えて、オンラインで会うことも急速に認知されてきた。実際使っている人も増えている。オンラインも使い方次第だ。VRはこのオンライン面会のさらに先に行くテクノロジーだが、すでに人間を取り巻く生活環境の中に、脳が騙される機会がどんどん増えているのである。

 

 

 

 

 

では最後に、健全で有益なVR活用を少し考えてみよう。エンターテイメントやゲームの世界での普及は早かった。常に新種のITが普及するパターンだ。一方で、アメフトの練習、医療の実習、消防団の訓練、教育現場など、すでに色々なところで実用化が進んでいる。

 

課題解決の視点で見ても、社会貢献型のテーマ、不便の解消、労働不足の解消、得難い体験など挙げだしたら幾らでもある。

VRの正しい使い方が出来れば、人類の生活環境は飛躍的に進化する。

 

 

 

 

私達も、ルワンダの現地法人を活かしてのアフリカ視察体験旅行などに期待頂いている。海外ビジネスにおける海外視察などにVR活用を推進する考えである。

また、新興国の交通安全、公害体験、環境対策、自然学習などに使えそうである。

 何はともあれ、健全な活用事例をひとつでも生み出そうと思う。

 

以上