エストニアとルワンダを“つなげて”出来そうな事 | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

 

一年前の今日、エストニアを初訪問した。

1年はあっという間だ。それにしても激動の1年であった。

 

先日、ブログにも書いたが、バルト三国と呼ばれる国の一つ、エストニアはIT業界でビジネスをする者にとっては、とても気になる存在だ。

 

スタートアップを輩出している国としても有名だ。

誰でも知っていると言っても過言ではない、あのスカイプが誕生した国である。これだけ聞いても、IT業界が発展しているように思える。

そして何よりも有名なのが電子政府である。行政サービスのほとんどが電子化されている。このような先進的取り組みは世界からも注目されている。

電子居住者という仕組みも興味を引く。

2014年に始まった電子居住者制度(e-residency)でオンライン上で世界の誰もがエストニアの電子住民になれる。

世界の起業家がこの制度を利用して、エストニアの起業にチャレンジしている。

これは確かに魅力的な制度だと思う。

 

電子政府の実現で先進諸国に後れを取っている日本が特に注目している国の一つである。

実際に安部首相も2018年1月に訪問している。

首相も電子居住者として登録しているようだ。

 

エストニアは本当に小さい国だ。

人口は130万人強。バルト3国の中でも一番小さい。

面積は九州と同じぐらい。ちなみに、九州の人口は約1400万人。

こう考えても、とても人口密度が低い。のんびり、ゆったりした雰囲気を感じるのは納得がいく。

 

先日のブログでも書いたように、私は、リトアニアからバルト三国に入り、ラトビアを経てエストニアに入国した。やはり小国と言っても国が違うと全く違う印象がある。

 

 

 

 

 

 

ラトビアのリガから高速バスで数時間、午後3時ごろエストニアの首都タリンの旧市街地にあるホテルに到着した。

そして、世界遺産でもある中世の姿が残る旧市街地を散策した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これだけでもエストニアに来た価値はある。

私達は観光に来たわけではないが、ホテルでばったり旅行会社の知人と会った。

聞けば、旅行会社の協会の研修旅行に来ていると。最近、エストニアは観光地として人気が高いそうだ。

 

夕方から友人の中嶋雄士さんと合流し夕食を楽しんだ。

中嶋さんは、エストニアに住んでいてこの地で起業した変わり種である。

彼とは友人を介して知り合った。

彼は言う。世界の小さい国に興味があるんですと。

あの有名な元相撲取りの把瑠都氏はエストニア出身で、中嶋さんは交友があるらしい。

色んな所で人はつながるものだ。

知り合ってまだ一年半ぐらいだが、ルワンダでもつながった。すでに中嶋さんはルワンダでも面白いビジネス始めている。

今どきの日本の若者に珍しく物おじせず大胆に世界を走る彼の将来が楽しみである。

 

 

 

 

 

 

私は、新しい街に行った時、できるだけ一人で散策をする。

雨模様ではあったが、早朝2時間ほどでタリンの市街を歩いてみた。

旧市街地の周辺は先進的な都市開発が進む様子が見て取れた。

確かに先進的なビル群からはIT立国を連想しやすい。メディアだけで見ると誤解も生じるはずだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わずか1泊の滞在ではあったが、

北欧とバルト三国の関り、周辺国の様子がある程度つかめた。

そして、今年の5月末に、EGAビジネスカンファランスを計画していたが、これは実現できなかった。ウクライナにも足を延ばして、次の展開を判断しようとしていた。

 

一度行けば、それを手掛かりに様々な情報が入ってくる。

エストニアを訪れる日本人経営者は急増していると言う。ただ、その目的のほとんどが行くだけになっているようだ。

かつて、ベトナムなどで視察ばかりを繰り返し、現地の経営者の不満を募らせた日本人のパターンがここでも繰り返されているようだ。

 

日本はそろそろ別の視点で新興国と付き合う時代ではないかと思う。

私はこれからの世界は小さい国の存在感が増す時代だと考えているし、それが必然的に世界の多様性を維持発展することにつながる。

 

そう言う意味でも、私は小さな国の発展に興味があるが、全ての小国がIT立国とはいかない。そもそも、遅れた状態で小さいがゆえに、電子政府もIT立国も成り立っているという側面もある。それこそ、小さい国の発展モデルはもっと多様である方が自然だ。

 

IT立国について少し掘り下げると、インドや中国がかつてそうだったように、優秀な人材が数多く存在する強みはIT産業にある。この分野での優位性は、結局は優秀な人材の数になる。そうすると必然的に小さい国の限界が見える。

だからこそ、どういう形で周辺国や世界とつながるかが重要になる。

 

今、私達の現地法人があるルワンダも小さな国だ。面積は四国ほど。人口は約1300万人だからエストニアよりは遥かに多い。しかし、アフリカの中でも世界の中でも小国である。

 

この2つの国を比べてみることも色々と発見がある。まったく地政学的位置も歴史的背景も違う2つの国。この2つをつなげて、小さいな国の意義のある自然体な発展の姿を掴んでいきたいと思う。

 

以上