越日の関係はビヨンドコロナでNATOから協調パートナーへ | 近藤昇ブログ 仕事は自分で創れ!

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「仕事は自分で創れ!」ブレインワークスグループCEOの近藤昇が、日本とアジアをはじめとするエマージンググローバルエリアに対する思いやビジネスについて発信します。

 

 

一昨日、ベトナム人のビジネスパートナー3人の方と、それぞれにオンライン対談の収録を行った。


私の会社は、約20年にわたってベトナムと日本の企業のビジネス連携を支援する活動を行ってきた。このビジネス連携には、日本からのアクションとベトナムからのアクションの両方であるが、とりわけ、日本企業のベトナム進出の支援に力を注いできた。

 

この20年間の変化で言えば、シンプルに書くと、20年前はベトナムの企業が日本企業と付き合いたいという要求や日本への進出は皆無だった。それが10年前あたりからベトナム企業も積極的になってきて、今ではベトナム企業が日本へ進出する話も珍しくなくなった。


短いようでとても長い20年だが、ベトナム経済の発展とベトナム企業の成長をヒシヒシと感じる今日この頃であった。


一方、日本側がベトナムに対してどうであったかと言うと、いつまでたってもベトナム側の強く熱いラブコールには応えてこれていない20年だったと私は思っている。

 

これが概ね、コロナ禍前のベトナムと日本のビジネスにおける関係性と双方の想いのギャップである。

 



このブログでも何度も書いたが、いまだに日本は


NATO

(NoActionTalkingOnly)

なのである。


確かに、日本企業がベトナムに実際に進出する数は増えたし、10年前とは比べ物にならないぐらい、ベトナム視察やベトナム詣では増えた。地方自治体の首長クラスのベトナム視察も増加の一方であった。日本側から見たら、すでに進出を検討するアジアの国では1、2位の位置になっている。

しかし、常にすれ違いなのである。

ベトナムから見たら常に日本は期待外れだ。

 

3人の長年の付き合いのビジネスパートナー3人との対談で改めてベトナム側の考えと想いの一貫性を再認識した。

対談内容は編集ができ次第、公開する予定である。

一人は金融系の民間企業のCEOのフィ氏。

もう一人はVCCIカントーの所長のラム氏。

そしてもう一人は、弁護士集団を率いるクエ女史である。

それぞれ全くと言っていいほど立場の違う3人だったが、お三方の日本へのメッセージとエールは共通事項が多かった。

もちろん、日本向け収録と言う部分もあるだろうが、私が長年ベトナムでビジネスを経験してきた身として、やっぱり、相互の理解不足を是正しないといけないと強く思った次第である。

 

今回の対談で一番感じたのは、

やっぱり、日本人は好かれているという事である。

昔であれば、バイクや車、あるいは味の素といった商品への信頼や期待感が先行していたが、今は明らかに、企業人も含めた日本人に対しての信頼と好感に変わっている。



私の口癖は

“何をするかより誰とするか”

である。


他の国の誰かとするよりも日本人としたい。ビジネスをするのだったら。ベトナム人は本気だ。


もちろん、その上に、高品質、高サービスのノウハウを学びたい、仕事のやり方も取り入れたい。というのは言うまでもない。


感覚的な話だが、ここまでの熱烈なラブコールはすでにベトナム全体の空気だと思う。

しかし、一方で、日本の頑ななやり方、働き方などについては、相いれないものも感じている。日本にもベトナムのことを学んでほしい。という要求は以前よりも強くなってきたと感じる。



クエさんが、ビジネスも結婚と考えればよい。とユニークな例えで分かりやすく説明してくれた。まずは、結婚までにお互いの事をよく知ることが大切。そして、お互いの違いも含めて、結婚後は信頼関係の構築をしていく。

弁護士だけにジョークもシャープだった。結婚とビジネスの違いは、結婚の場合は離婚のときだけが、弁護士を必要とするが、ビジネスの場合は結婚の前から弁護士がかかわったほうが良い。結婚後スムーズに行くからと。さすがスマートなクエさんらしいPRである。

 

コロナ前とコロナ後のベトナムと日本の付き合いは劇的に変わると思う。

いや、劇的に私も変えていこうとしている。


その一つのヒントがクエさんの言う、結婚前からお互いがお互いをもっとよく知ることである。しかし間違えてはいけないのは、知ることによって、冒頭で書いたNATOになることではない。


リスクを怖がり石橋をたたき過ぎて実行しない日本、決定が他の国に比べてあまりにも遅い日本。こういう日本はそろそろ卒業したい。


そのためにも、やはり、付き合いを始める前のお互いの理解の促進。そのための見える化、交流頻度の増大などが求められると思う。

こういう風に考えていくと、オンラインで出来る事が沢山あると気づく。

 




 

以上