バルト三国に初めて訪問して、
もうすぐ一年になる。
人生にタラレバはないが、
過去の計画として説明すると、
コロナ禍がなければ、今年の5月に、2回目のバルト三国に訪問が決まっていた。
そして、そろそろ今頃は、バルト三国のどこかに現地法人の設立を進めていたと思う。
実際に、1年前の訪問前は、このあたりに法人を作るとしたら、IT立国のエストニアか神戸とゆかりがあるラトビアのどちらかで考えていた。私の会社は、出来るだけ小さに国に活動拠点を設置しようと考えている。
このあたり考えの詳しいことは後ほど書くとして、
まずはバルト3国について説明をする。
バルト三国はヨーロッパの国であり、バルト海の東岸、フィンランドの南に位置する小さな3つの国である。
北からエストニア、ラトビア、リトアニアである。
NATO、EU、OECD加盟国である。ロシアに近接している。3国とも独立したのは1990年である。
バルト3国の人口の合計は2019年で約600万人である。
エストニアは約132万人、ラトビアが約193万人、リトアニアが約281万人。いずれも小さな国だが、エストニアは特に小さい。
私が、バルト3国を訪れたのは電子立国のエストニアを訪問することが最大の目的であったが、せっかくなので、その周辺国も視察しようと考えて自然にバルト3国の他の2つの国も視界に入った。それに加えて、神戸市がラトビアの首都リガと姉妹都市の関係にあったことをも知った。いくつかの因果が重なり、北欧巡りの工程に組み込んだ。
9月中旬の約1週間、短期間で北欧を駆け巡ってみた。
結果的には、交通の便とIT時代を実感することになった。
この時の工程をざっと書くとこういう感じだ。
初日、関空からフィンランドのヘルシンキに到着、宿泊。
夕方、オランダにフライト、アムステルダム宿泊。
翌日、高速鉄道に乗りベルギー経由でドイツのフランクフルト入り、宿泊。
翌日、高速鉄道でベルリンに移動、宿泊。
そして、いよいよ、翌日の早朝からバルト3国へ。
ベルリンからバルト3国は格安航空で移動。
約3時間のフライトで朝の10.00には、リトアニアの首都ヴィリニスに到着した。
丁度、マーケットが開かれていたので、しばらくマーケットを体験。
わずか数時間の滞在で、午後から高速バスに乗り、隣国のラトビアに移動。約6時間の快適な旅で、夕方には、リガに到着した。
改めて書くと、スケジュールはタイトに感じるが、結構、時間的にはゆったりした充実した旅だった。
日本からヨーロッパのフライト以外は、現地に到着してからスマホで手配。旅行サイトや鉄道会社のサイトなどを丁寧に見ていくと、クレジットカード決済ですべてが予約できる。
こういうちょっとしたことでも、やはりITは世界中で使える時代だと実感する。旅行会社が必要ないとは言わないが、操作方法や手順のガイドが自動化されていけば、多くの人が自分で手配できるようになると思う。
このバルト3国、観光ガイドだけ見ていると、違いが余り分からない。だが、実際に現地で短時間と言えども街を歩き、食事をし現地人や観光客などの中にいると、やはり、一つずつの国の違いに気づく。
リトアニアはバルト3国の中では最も国土も大きい。ロシアと接していないこともあり、ロシア系住民が少ない。バルト3国の中では単一民族率が高い国である。観光資源も豊富だ。ヴィリニスしか滞在しなかったが、初バルト3国の雰囲気は堪能できた。
その次に訪問したラトビアは、人口の25%がロシア系。バルト海の真珠と呼ばれるほどリガ旧市街地は美しい。旧市街地を色々と散策してみたが、とても風情があった。
多分、何か縁があって住みつくことになってもどの国も楽しいだろうし、それはそれで幸せがあると思う。
話は変わるが当社の拠点があるベトナムが小さな国だと思っている人は多い。しかし、人口は世界で15番目である。ちなみに、日本は11番目だ。
ルワンダも小さい国である。
それでも人口1300万人だ。ちなみに、面積は四国程度である。
しかし、バルト3国に訪問して本当に実感した。
小さな国の存在と営みを知ることは、グローバル視点には不可欠である。
世界の国の数は、日本の承認ベースで日本を入れて196か国である。こんな多くの国で構成されている世界を小さな国から見ることはとても重要で、しかも、ITでグローバル化の進展は加速度的である。小さくても世界に存在感を示せる時代である。
また、小さくても人口が少なくてもその民族の特徴が街並みや文化や食事に表れている。個性豊かな生活ぶりを見ると、余計に国や民族の意味を改めて考える。実に人間は多様なのである。
日本も大国に比べたら、小さな国ともいえるが、仮に47都道府県体で分けて考えて初めて、バルト3国のような感覚に近づく。
そこには相当の多様性があり、文化や伝統がある。
バルト3国を知ったことで、世界の小さな国への関心がますます高まった。それと同時に自分の故郷の徳島や四国、それとまだ訪れたことのない日本の小さな街にも訪れたいという気持ちが高まっている。
次回は、小さな国の中で突出してIT立国、電子立国として知名度が高いエストニアについて書こうと思う。
エストニアはあの有名なIT企業スカイプが誕生したベンチャー企業の輩出地としても知られている。日本からもビジネスの視察団が増えている注目の国である。
以上