ほんの一瞬だった


それは1秒か10秒か…

それとも10分か


目を開けたら

さっきまであたり一面を覆い尽くしていた霧が

嘘のように晴れて

視界が明るくなっていた


霧で見えなかったことなど

すっかり忘れたように

平然といつもの風景がそこにある


山も木も草も花も鳥も

いつものようにそこにある



朝陽を浴びて

夕陽を見送り

月を眺め

星空に感嘆の涙を流す


私の毎日がそこにある


見慣れた風景に安堵して

私は今日もうたた寝をする