上野駅といえば東北への玄関口だが、
我々世代の筑波大生にとって、
上野は筑波への玄関口でもあった。
今では筑波へのルートは秋葉原から
つくばエクスプレスらしいが、
ひと昔前は上野から常磐線。
そんな懐かしい上野駅界隈。
上野のお山に上がってみた。
今話題の大河ドラマの主人公
西郷どんの銅像が迎えてくれる。
しばらく歩くと上野の森美術館。
話題のフェルメール展。
普段絵画などあまり興味を持たない私だが
フェルメールは聞いた事がある。
これも何かの縁、観てみる事に。
正確にはドキドキした。
絵にこれだけドキっとさせられた事はない。
描かれた人物の表情がその心情と空気感までもを見ているものに伝えてくる。
伝わってくる心情と空気感にまるで
その人と向き合っているようで
こちらがドキっとしてしまう。
フェルメールのイメージとシンクロしているかどうかは分からないがとにかくドキドキさせられた。フェルメールおそるべし。
しばらく歩くと正岡子規記念球場がある。
子規はベースボールが大好き。
雅号に野球と使う事もあったほど。
子規の幼名はノボル。
ノ=野
ボルをもじってボール=球
野球。
子規の句にもドキドキされられる。
ベースボールが大好きだった子規も
20代前半で吐血。
そんな子規が病床で詠んだのが次の句。
春風や
まりを投げたし
草の原
明るくもせつない、
でも何か前向きに思えてくる。
子規らしい。
吐血し続ける自分を
血を吐くまで鳴くと言われるホトトギスになぞらえた。そう「ホトトギス」を漢字で書くと
「子規」
血を吐き続けても俳句を詠み続ける、
そんな子規の気概を感じる。
五、七、五。
たった17文字で
見事に情景と思いを伝えてくる子規。
フェルメールといい、
子規といい、
凄まじき表現力。
そんな偉人達に触発された私。
思いの丈を伝える教師として
負けてはいられない。
上野駅界隈散歩
芸術、文化、歴史、思い出との出会い。
とても充実したひと時でした。
こんだ直人教育研究所