昆虫図鑑 -2ページ目

昆虫図鑑

ちょっとより、いっぱいオカシイ

不思議で変

ふわりゆるり

それが私


ばあちゃん(祖母)がストマ(人工肛門)をつけることになった。


手術中、
私は呑気にお昼ご飯を食べに行った。


すると、何件も何件も着信があった


病院に着くと
親戚のあばさんやおじさんたち、母、兄が暗い顔をしている


兄は私に

「ゆかり、何処行ってたんだよ!ばあちゃん、ガンがみつかって、もうあちこちに広がって、、、」



兄は言葉にならない、言葉がつまった状態で説明してくれた
最後まで聞かなくても分かった。理解できた。


ばあちゃんが麻酔から覚めた時
「ばあちゃん。。
退院したらゆかりの運転で迎えにきてもいーい?」

ばあちゃんには
ガン告知もしていなかった為

喋るたびに涙が溢れそうだった。


それから数日後
私はおばあちゃんの一時帰宅の時、
私の怖い運転で家まで乗せていった。


「本当にゆかりの運転は怖いよ。
おれ(祖母)、まだ死にたくないよ」
なんて言って、笑っていた。


しかしながら、その言葉と笑顔は私にとって最後だったんだ。


学校の帰り道、
ばあちゃんのいる病院に行った。
私は毎日夕飯のあげさげをした。


時に学校をサボって、ばあちゃんの元へと昼間から行ったこともあった

だけど私も高校3年だから
進路を考えなければならず、
暫く母にばあちゃんの看病を頼んでいた。


その間、ばあちゃんはご飯も食べることも出来ず、完全に寝たきりの状態にまで陥っていた


気づけば
ばあちゃんは私の目の前からいなくなっていて
あの時の光景とばあちゃんの顔は忘れやしない。



本当に本当に悲しいときは涙も出ず、
まだばあちゃんは生きているのだと勝手に思い込んで

お葬式前夜は、
ああ~お葬式なのかあ~くらいにしか思えなかった


火葬場に行ったときにやっと気づいたくらい。

泣く私を
母は「ばあちゃんの一番おっきな骨を掴んで持っていこうね」って言ってたのを覚えている。


その夜初めて枕を濡らした

だけど
ばあちゃんは今でも私の胸の中にいる


私の目の前からいなくなったけど
彼女は私の魂となって
今も心に生きている



続く