11:15頃に看護師さんが来て、


「12時に処置の予定だったが、少し早まるかもしれない」


と言われる。

 

 

促されるままに2回目のトイレ。

 

 

髪のゴムをはずして、眼鏡も取っておく。

 

 

分娩台に横になってしばらくして、看護師さん2人と婦人科の先生2人が入ってくる。


 

分娩室が一気に慌ただしくなって、いよいよか、と緊張する。

 


一人の看護師さんが優しい声で色々気に掛けて話しかけてくれて嬉しかった。

 

 

説明を受けながら点滴開始

 


①麻酔でアレルギーが出ないようにする薬


 を入れた後に


②痛み止めの薬

 

これは「ドキドキしたり、口が乾いたり、ぼーっとする」と説明を受けたけど、

 

確かに何となく口が乾いてきたような、少しドキドキするような。

 

体がだるくなる。

 


そしていよいよ


③眠くなる薬


が入る。



 

ふわーっと眠りに落ちる直前の感覚になって、

 


あー眠りそう

 


と、思った

 

 



 

 

 

が、

 



そこで止まる。

 

 





えっ

 


眠れない・・・

 

 

 

 

 

耳ははっきり聞こえて、先生たちの会話もわかる。

 

 

下から器具が入る感覚も普通にわかる。

 


 

えっ麻酔効いてない?

 

やばくない?

 

怖い怖い…

 

 


処置が始まって、痛い、と思うけど我慢できる程度。

 

だから麻酔は効いてるんだろうな、と思う。

 

 

すごく痛くなったら声出そう、と思う。

 

 

(後から調べたら、私がしたのは静脈麻酔なので、意識が完全になくならないのは普通らしい。麻酔で完全に眠ると思っていたので、眠れない時は本当に焦った。)

 

 

担当の先生が指示して、研修医?の先生が処置している。

 

 

研修医「かたい…」

 

先生「あー確かにかたいな」

 


 

先生「回して回して」

 


 


スポンって音がした。

 



あ、今出たのかな。

 


 

先生が



「あー赤ちゃんだ」

 


って言った後、

 

 

診察の時には聞いたことない優しい声で

 


 

「頑張ったね」

 


 

って呟くのが聞こえて

 

 

体も動かないし声も出ないけど

 

 

胸がじーんとして、この先生でよかった、と思った。

 

 

それからも処置は続いて、2回目のスポンがあって

 

 

その間に先生と看護師さんが私に向かって

 

 

「3ミリ(麻酔の量?)だけど、よく眠ってるね」

 

「華奢だから(全然そんなことないです。すみません)よく効いてるのかな」

 


と話してるのも聞こえるし



先生が研修医に


「あーそれ以上いくと穿破するから」


(えっ怖いやめてやめて)

 

「ここまでだと穿破しないから」

 

 

とか教えてる声も聞こえてた。

 


 

そして名前を呼ばれたので

 

返事したら

 

看護師「あっ目が覚めました?」

 

「いえ、なんかずっと声は聞こえてて…意識はありました」

 

看護師「そうなんですね!ぐっすり眠ってると思ってました。今終わりの処置をしています」


なんて話していたら

 

 


サーッと血の気がひく感じ。

 


気持ち悪い。

 

 


「気持ち悪いです…」



看護師「あぁ、まだ下の処置中で押されるからかな?」

 


「いや、吐きそう…」




看護師さんが慌てて受水盆を持ってきてくれて、

 

 

それに向かってオエッオエッ…


 

胃がせり上がって痙攣みたいになるのに、よだれしか出てこない。

 


5回くらいオエオエして落ち着いたと思ったら、数分後にまた血の気がスーからのオエオエ

 


胃液が出る。

 

 

処置が終わって先生と看護師さんがいなくなって一人になってからも、数分おきに

 


血の気がサーッ

 

唾液がバー

 

オエ×5

 


を繰り返してかなりしんどい。

 


麻酔のせいでまだ眠くて、眠りそう…ってなると血の気がサーッ(以下同)で眠れず。

 

 

腹痛とかは全然ないけど、この吐き気がかなり辛かった。

 


血圧はずっと90台で、低すぎるわけではないけど、血の気が引いて気持ち悪い。

 

 

それからウトウトを繰り返して何回か熱と血圧を測って

 

先生が最後のガーゼの除去&消毒をしてくれて

  

診察。

 


吐き気は子宮をガシガシやったことによるもの

 

元々子宮が後ろの方にあるのもあって、子宮内のものが全部は取り切れなかった

 

これから排出していくと思う

 


と言われる。

 


初めて水を飲ませてもらったときに時計を見たら

 


14:45。

 


11:30くらいから始まって



こんなに時間がたってたんだ。

 


スマホを見ると、旦那からLINEが来ていた。



看護師から手術が無事に終わったことを聞いたらしく

 

 

『終わったんだね。

もえちゃん、頑張ったね』

 



と。

 

いつも私をママと呼ぶ旦那が、結婚当初みたいに名前で呼ぶなんて。



 

着替えて、旦那と合流したのが15:40くらい。

 


ずっと待っていてくれてありがとう。

 

 

 旦那が迎えに来てくれて一緒に病院を出るなんて、出産の時みたい。

 

 



でもここに赤ちゃんはいない。

 

 

 

 


処方された止血剤や子宮収縮剤を、旦那が薬局にもらいに行っている間、車でぼーっと待つ。

 

 

一日中待合室で待っててくれて、会計や薬局などいろいろ動いてくれて、ありがたい。



 イライラすることも多いけれど

 

やっぱり旦那は根本は優しい。

 

この人と結婚してよかったと思った。




初めての静脈麻酔での稽留流産の処置。

 


怖かった。

 


自分の体が自分では動かせなくて

 


でも声ははっきり聞こえてて、幽体離脱?してる感じだった。

 


なんか、死ってこういう感じなのかな、って怖かった。

 

 

 

家に帰って、

 

旦那は3歳次男を迎えに私の実家へ。

(翌日の私の負担を考えて、小3長男と5歳長女はそのまま実家にお世話になることにした)

 


一人になって、ブログに今日のことを書き留める。

 

 

気持ち悪さが続いていて、胃が空っぽなのもいけないのかと思い

 

みかんと、(身体が冷え切っていたので)温めたちくわを食べる。

 

 

 

窓にむかって手を合せて、

 


ママのお腹に来てくれてありがとう

 

ずっとずっと大好きだよ。

 

あなたはうちの4人目の子どもだよ

 


と赤ちゃんに話しかける。

 

 

そして、今度は天国にいる大好きなじいちゃんに

 

 

私の4番目の子供が天国に行きました

 

どうぞよろしくお願いします

 

 

ってお願いした。

 

 


18時半ごろ次男と旦那が帰ってきた。

 

 

「ママ!いっぱいぎゅってしたかったよ!」


って言いながら胸に飛び込んでくる次男。

 

長男も長女もいないのでママを独り占めでテンション高めで甘えまくる次男。

 

ばあばの家での出来事を色々話してくれた。

 


私が予約しておいて旦那が買ってきてくれたお弁当。

 

おいしくはないけど、食べた方がいい、という使命感で食べる。

 


処置当日はお風呂には入れないので、

 


身体や髪の毛の気持ち悪さを感じながら、次男とくっついて寝た。

 


次男の温かさが身にしみた。