君と会ったのはまだ寒さが残っていた春の日だったね。

小さな君は、小さな瞳で静かに行き交う人々をみていたね。

そして、君は家族になった。

家族になった君には、お兄ちゃんワンやお姉ちゃんニャンができたね。

ニャンパンチにしつけられた君は、いつもみんなと一緒。

誰にもやさしいこに育ってくれた。

年月は早いね。

君も年をとって、おじいちゃんワンになった。

お願いだよ。

ゆっくりゆっくりね。
急がないでゆっくりしてね。

土の上を走ることも、オモチャで遊ぶこともしなくなった君。
耳もとおくなり、近づいても気づかない君。
お気に入りのベッドで小さな寝息をたてる君。
君の寝息をそっと確かめて、ほっとする。

あぁ、まだ側にいてくれる。

もうすぐ、お誕生日だよ。
ありがとうね。

愛しいこ