コロナの前に、東北に夫と出かけた。

レンタカーを借り、あちこち回っていたら、

いつのまにか、海沿いから一本陸側の道を走っていた。

地震による津波で被害を受けたのは、

明らかな場所である。

その周りには、家は一軒もない。

農作物が植っているだけであった。

大きな木もない。

秋だったか、寒々とした雰囲気であった。

車は夫が運転していたのだが、

私は急に気持ちがとても重くなった。

気分が良くない。

なんか空気が重い。

ふと窓の外に目をやると、

新しいお墓がたくさん見えた。

真新しいお墓である。

この時、この空気の重さの原因が、

分かったように思った。

不思議な出来事だった。

もっと前に、和歌山に行くのに

車で山越えをしていた。

その時、通っている道で

急に空気が変わったように感じた。

秋でススキ🌾の季節で、

太陽に照らされ、風に揺れる季節、

「あの世があれば、こんな感じかな?」

と夫に言っていたら、そこは高野山だった。

これもまた不思議な出来事だった。