三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

現在、全国の劇場で「三島由紀夫vs東大全共闘」という映画が上映されております。昭和44年5月に東京大学駒場キャンパスで行われた作家・三島由紀夫と東大全共闘との討論会の様子を軸に、三島由紀夫の生き様を映したドキュメンタリーであります。

この討論会は約半世紀前の出来事になる訳でありますが、同じ戦後という枠組みの中で同じ憲法下での社会でありながら、学生運動が盛んなりし当時の大学及び大学生の在り方は現在のそれとは全く別世界の感を受けます。
一方、三島由紀夫という人物は「現在で言えば〇〇の様な作家」という例えが見つからない傑出した作家でありながら、その凄絶な最期のみがクローズアップされ人によって大きく評価が左右される異色の人物でもあります。
一時は三島の作品を読んでいる=右翼、という安直なレッテルの下、敬遠される向きがありましたが、往時の熱が随分と冷め客観的に振り返れるだけの時間が経過したと思われる今、斯様な映画が上映される事は大いに意義があると思われます。
 
応援団の世界では団員が挨拶として使う「押忍」の起源を武士の心得を書いた江戸時代の書物「葉隠」に求め、その意義を教育する事から新人研修が始まる訳ですが、文語体の同書はとっつきにくく代わりに同書の解説書でもある三島由紀夫著「葉隠入門」が愛読されていた訳であります。
【団室に掲示されていた三島氏の書】
意外と知られておりませんが、三島由紀夫の本籍は兵庫県加古川市にございます。氏の祖父が同地のご出身である為であります。そこにはひっそりと慰霊碑が建立されており、かつて団員有志が清掃奉仕に伺っていた事もございました。映画を通じ、今一度、三島由紀夫という人物に想いを馳せて頂ければ望外の喜びとするところであります。
【三島由紀夫慰霊碑清掃奉仕】
甲南大學應援團OB
八代目甲雄会広報委員会