創團当時、團の宴会はJR元町駅付近に現在もある中華料理「牡丹園」で行われておりました。昭和45年頃まで新入生歓迎の宴は牡丹園で行われるのが常であった様であります。創團当時の時代背景を思えば随分な高級店であったと思われ、そこで腹いっぱい食べられるという事は当時の團員達にとって大きな魅力であった様であります。
由来、日本人は食を生活のベースに考えていた文化があり、例えば生計を立てるという意味合いで「飯を食う」と言ったり、誰かの面倒を見る事を「飯を食わせる」と言ってみたり、腹を満たすという事に重大な意義を見出しておりました。團務を終え先輩に食事に誘われ
「また立ち飲みか、、、たまには寿司を食わせて欲しいなあ」
などと思う贅沢な團員が現れるのは随分と時代が下ってからのの話であります。
【一飯の義理 東映「山口組三代目」より】
無論、往時は食事をご馳走になるという事はそれ自体が重要な意味を持っていた訳でありますが、組織として考えた場合、それ以上に食事を通じ顔を突き合わせてコミュニケーションを図る事に意義があった様に思います。現在の様に携帯電話もSNSもない時代、対面がコミュニケーションの基本となっていた事が、逆に当時の組織力が強固であった要因だと考えられます。團務から離れた中で、食事をするという日常的な時間を共有する事で相互の距離感が縮まる効果があるのだと思われます。
いずれにせよ、現在の様な時代であるからこそSNS等で用件を合理的且つ簡素に用件を済ませるばかりではなく、時にはこういったコミュニケーションが大事になってくる場面もあるのではないかと思う今日この頃であります。
甲南大學應援團OB
八代目甲雄会広報委員会