リーダー部長とは、時代によってその職掌はやや異なります。現在では応援団を構成する吹奏楽部、チアリーダー部と並列するリーダー部の代表というポジションとして使用される事が一般的な様です。かつて男ばかりの集団だった頃、関西では親衛隊とリーダー部の2部編成の団が多く、親衛隊隊長と双璧を成す一方の長がリーダー部長という組織体制でありました。親衛隊隊長もリーダー部長も技能職でありまして、リーダー部長は団の中で最も演武・乱舞の技能に秀でた者が抜擢されます。
ここ数回、応援団幹部が着用する羽織袴について言及させて頂きましたが、幹部の役職と着るべき着物が紐付いているケースが多うございました。
例えば関西の雄である近畿大学や大阪商業大学では羽織の前の部分に団体名+役職が記載されておりました。よって幹部が自分の役職名が書かれている着物を着用する訳であります。
我が團では団体名の記載はありましたが役職名は記されておりませんでしたが、凡そどの着物をどの役職の者が着るのかは決まっておりました。1着しかない白羽織は團長が着用しますし、背中に「南無八幡大菩薩」は親衛隊隊長、同じく「破れ太鼓」は幹部鼓手と言った具合であります。時代の流れの中で人数が減り親衛隊隊長が空位の代になったりしますと、宙に浮いた親衛隊隊長羽織を別の幹部が着たりして秩序が乱れたり、團員間のパワーバランスで決まったりと言ったイレギュラーが発生致しました。
ただその中、リーダー部長だけは正規の羽織袴はない、と規定されておりました。無論、着物の数より幹部の数が少ない時は余った物を着たりはしますが、着物の方が少ない時は役職なし幹部とリーダー部長は対象から優先的に外される訳であります。やはりリーダーを演じるのに羽織袴は向いていないという考えがベースにあったのだと思われます。
代わりにリーダー部長はリーダー部長腕章を着用致します。この腕章には長い紐が付いているのであります。故に全員が学ラン姿の際は、事情をご存じない方はリーダー部長を団長と錯覚してしまう珍事が発生したりもする訳であります。
【左側がリーダー部長】
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会