本山村怪々奇團【69】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第69話 運転免許【後編】
 
さて、話を伺うと当日はゴルフ場の駐車場の一部が工事中でありまして、大挙、お越しになる学習院卒業生の車を駐車するには、いつもよりスペースを有効に使う必要が生じ、下に描かれているラインを無視して駐車して頂く必要があり、その誘導役を務める事になったのであります。
 
まずは一番、片隅に宮崎駿先輩が乗って来られたメルセデスが停まっているので、その前に團員達が乗って来た車を停める事になりました。ちょっとギリギリではありますが、この位の間隔で停めさせないといけないという例を示そうとされた訳です。
 
唯一の免許保持者である1回生が車に乗り込み、もう一人の1回生が学習院ベンツの前で誘導役を務めます。手を大きく振り「オーライ、オーライ」とぎこちなくバックして来る車を誘導します。何せ手を振りながら大声を出すのは應援團員の得意とするところであります。その上、他校應援團OBの御前、自然と気合が入る訳でございます。
この位の間隔と宮崎先輩が示された位置に車が来たと思ったところで誘導役の團員は「ストップ!」と叫びます。ところがあろう事か「ストップ」の声とは裏腹に手は引き続き「更にバックせよ」と言わんばかりに振り続けていたのであります。当然の事ながら不得手なバックにテンパって声が耳に入っていない1回生が運転する車は学習院号にコツンと接触したのであります。天を仰ぐ宮崎監督。
【イメージ図※実際にはここまでは大破しておりません】
剛腹な先輩であられましたので、特に叱責される事もなく、その場は収まり、その後、無事、誘導役を務めあげ、無事、帰路についたのであります。
 
その後、時は流れ10数年が経過、あるOB会のイベントに運転手役の1回生だった者が出席したところ、ばったりと学習院の宮崎先輩に出くわしました。もう10年以上も前の出来事、当時の1年坊主の事など覚えていないと思い、何事もなかったかの様に「甲南大學應援團OBの〇〇です」と挨拶します。すると宮崎会長は、大変、驚かれ、傍らの側近の後輩の方に
「こいつだよ、俺の新車に、、、」
と話しているではありませんか。
「ああ、有馬のゴルフ場の一件ですよね、、、」
と側近の方も話を理解しているご様子。事件当時から学習院内ではすっかり有名な話になっていた様でありまして、当時「気にすんなよ」とのお言葉とは裏腹にしっかりと気にしておられたんだなあ、としみじみと当時を振り返るのでありました。
この場をお借りし改めてお詫び申し上げる次第でございます。
 
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会