以前、懇意にしていた他校應援團團員より伺った話であります。
何でもその大学では、体育会の複数の部でスポーツ推薦制度を採用しており、高校時代にその競技で実績のある選手を様々な条件で自校に招聘するという制度があったそうであります。
これは広く様々大学で採用されている制度でありまして、強豪チームはまずこの制度を採用していると言っても過言ではありません。我が校でもいくつかの部でこの制度を採用しておりますが、導入が他校よりも遅く後進校である感は否めません。
さて、この制度、大学によって中身は様々である様でありますが、特定の競技の部に所属する事が条件になって居る訳ですが、仮に怪我等でその競技の継続が困難になった場合、厳しい大学ですと、実質的に大学を去らざるを得ないという事があるそうであります。
確かにその学生が在学中、特定の競技を行う事を条件に様々な優遇措置を施すというのが制度の骨子である訳ですから、その前提条件が崩れると、相応の対処が行われるのは当然であると言えるでしょう。とは申せ、所詮は学生のアマチュアスポーツという枠組みの中で、一生を左右しかねない冷血な措置ではないかという指摘も一理あるというのも事実でございます。
さて、冒頭の他校では、上記の様な事態が発生した場合、救済措置として應援團への入團というものがあったそうなのであります。競技者として学生生活を送る事が困難になったのであれば、今度は競技者の心情を最も理解出来る者として競技者を応援する立場として残りの学生生活を送ってはどうか、というものであります。
個人的には良い制度だと思っております。他にも救済措置を設けて引退を余儀なくされた学生に様々な選択肢を与え大学生活を全うさせるというのは大学にとっても良い事だと思う次第であります。
應援團の立場で言えば、一般学生より体力、運動神経が秀でている学生を迎える事が出来る訳ですので、悪い話ではありません。
ちなみに冒頭の他校應援團は武闘派で有名であり、團内の規律も秋霜の如く厳しい事で有名でありましたので、スポーツ推薦で入学したものの成績不振に悩む学生は「このままだと應援團に放り込まれてしまう」と必死に頑張っていたそうであります。
甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会