本山村怪々奇團【42】 | 甲南大學應援團OB会のブログ「雲外蒼天」

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甲南大学応援団再建物語
~黄霧四塞すと雖も、上に蒼天なきに非ず~

第42話 スキー合宿異聞【1】

我が甲南大学では体育の授業の救済措置として夏は海水浴、冬はスキーの泊まり込みの特別授業がございました。早い話、体育は如何に積極的に授業に出席したかで成績がつけられますので、出席日数が足りない者は自動的に落第になってしまいます。中にはクラブ活動の事情等、止むを得ない理由の者もおりますので、救済措置が設けられたのであります。

この制度がいつ始まり今もあるのかどうかは不明で有りますが、昭和末期、平成初頭には確実に存在した制度でありますが、我が團員もクラブ活動の事情=團室当番の影響で、出席日数が絶望的なまでに足りない者が多く、毎年、この制度のお世話になる者がおりました。

意外ではありますが、夏はともかく冬のスキーはかなり人気がありまして、受付の前日は受付場所である10号館前には新型iPhone発売前夜の如き行列が出来る程でありました。普通にスキーツアーを申し込むより安かったためでありましょう。

時は1月頃、日が暮れますとかなり寒いので、各自、寝袋や毛布持参で並ぶ訳ですが、そこは岡本キャンパスに團室を構える強みを生かし、夕方頃より10号館正面入口前に「應援團」と汚い字で書いたダンボールを地面に敷き、その上にパイプ椅子を置き準備完了で有ります。こうしておけばそのエリアには不思議と誰も近寄らなくなるのであります。
後は1回生が一人、ワンカップ大関を片手に椅子にどっかと座り、他の1回生は團室で待機し、交代で場所を占有し続ける訳であります。

すると夜中に「おぉ、○○!」と声をかけて来るのは決まって空手部、少林寺拳法部の三武会の同期である1回生連中でありまして、應援團段ボールに座り込み、買い込んで来た酒やつまみを広げるのでありました。言うまでもなく彼らも落第予備軍だったのであります。

気候さえ違えばさながら花見の様な状況でありますが、1月の酷寒の中であります。寒さを感じる神経が麻痺する程度には飲まなければやってられません。團室のストーブで酒を温め燗酒にしたり、スルメを炙ったりと、忙しい一夜になるものでありました。

甲南大學應援團OB会
八代目甲雄会広報委員会